自動車業界に「100年に1度」と言われる巨大な変革の波が押し寄せています。現在、自動車各社が喉から手が出るほど欲しているのは、意外にもエンジン職人ではなく、プログラムを操るソフトウエア開発者なのです。
自動運転や電動化、ネット接続を指す「CASE」への対応は、もはや待ったなしの状況と言えるでしょう。この荒波を乗り越えるべく、日産自動車やマツダといった国内大手各社は、独自の教育プログラムや拠点整備を加速させています。
SNS上では「ITエンジニアが車の未来を創る時代が来た」「車が走るスマホ化している」といった驚きの声が広がっています。これまでのハードウェア重視の姿勢から、ソフト中心へと舵を切る各社の戦略を詳しく紐解いていきましょう。
日産とマツダが仕掛ける「自前育成」と「オープン戦略」
日産自動車は、2022年度までに500人の専門技術者を育成する野心的な計画を打ち出しました。神奈川県厚木市にある専用センターでは、3.5カ月間に及ぶ480時間の集中講義が行われており、まさにソフト開発の虎の穴です。
ここで重要視されているのは、開発の基礎から品質管理までを網羅する全工程の理解です。ハード担当者もソフトの知識を学ぶことで、部門間の壁を取り払い、より円滑な連携を目指している点は、非常に合理的な判断だと感じます。
一方のマツダは、外部との接点を広げるオープンな手法を選びました。米ユダシティと組み、自動運転技術を学べる講座をネット公開しています。2020年には日本語版も登場する予定で、これが優秀な人材の窓口となるでしょう。
異業種との争奪戦と加速する拠点展開
三菱自動車も負けてはいません。2019年10月、東京都港区にソフト開発の専門拠点を新設しました。IT人材が集中する首都圏に網を張ることで、地方の製作所だけではカバーしきれない層へアプローチする狙いが明確です。
帝国データバンクの調査によれば、トヨタグループの取引先でソフト関連企業数が部品メーカーを上回る逆転現象が起きました。トヨタ傘下のデンソーも、2025年までに開発者を1万2千人体制に拡充する方針を固めています。
「CASE」とは、コネクテッド(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェアリング、エレクトリック(電動化)の頭文字です。この4領域を制するには、もはやIT大手などの異業種と人材を奪い合う覚悟が求められます。
私個人の見解としては、企業が自前で教育プログラムを組む姿勢は評価すべきですが、今後は給与体系などの待遇改善も不可欠でしょう。優秀なエンジニアを惹きつけるには、IT業界に劣らない柔軟な環境作りが鍵となります。
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