工作機械受注が急減!2019年10月の内需42%減から読み解く製造業の現在地と未来

日本のものづくりを支える「母なる機械」、工作機械の需要が今、大きな転換点を迎えています。日本工作機械工業会(日工会)が2019年11月21日に発表した最新の受注状況によると、製造現場の意欲を示す国内需要が前年と比べて42.0%も減少するという、衝撃的な数字が明らかになりました。月間の受注額は334億円にまで落ち込み、業界が活況に沸いていた時期と比較すると、その冷え込みの厳しさは一目瞭然でしょう。

この334億円という水準は、過去を遡ると2014年04月の348億円以来、実に5年6カ月ぶりに350億円のラインを下回ったことになります。SNS上では「いよいよ景気後退の足音が聞こえてきた」「現場の稼働率が心配だ」といった、先行きを不安視する声が数多く投稿されています。特に製造業の心臓部とも言える自動車産業や、精密な部品を作るための「金型」を扱うセクターでの停滞が、この大幅な落ち込みの主因となっています。

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製造業の土台「工作機械」と内需低迷の背景

ここで言う「工作機械」とは、金属を削ったり穴を開けたりして、自動車のエンジン部品やスマートフォンの筐体などを作るための機械を指します。あらゆる製品の基礎を作るため「マザーマシン」とも呼ばれ、この受注額が減るということは、メーカーが将来に向けた設備投資を控えている証拠に他なりません。現在は米中貿易摩擦などの国際情勢による不透明感が、企業の投資マインドに冷や水を浴びせている状況と推察されるでしょう。

産業機械や自動車関連の不調は、単なる一企業の不振ではなく、サプライチェーン全体に波及する懸念を孕んでいます。私自身の見解としては、この数字を悲観的に捉えるだけでなく、次世代の「CASE(自動運転や電動化)」に向けた力を蓄える準備期間と捉えるべきだと考えます。目先の数字が厳しいからこそ、AIやIoTを駆使したスマート工場への転換など、効率化を突き詰めるイノベーションが求められる時代が到来しているのです。

今は耐え忍ぶ時期かもしれませんが、日本の技術力が衰えたわけではありません。2019年11月現在のこの停滞を、将来の飛躍に向けた「助走」に変えられるかどうかが、国内製造業の底力を試す試金石となるはずです。投資の冷え込みが一時的な調整で終わるのか、それとも長期的な構造変化の始まりなのか、今後も日工会が発表する詳細な統計データから目が離せません。

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