石川県白山市に本社を置く工作機械メーカーの雄、高松機械工業が驚きの巨大プロジェクトを発表しました。同社は35億円という巨額の資金を投じ、2021年春の稼働を目指して新たな生産拠点を建設することを決定したのです。この新工場は、同社が描く「売上高300億円」という壮大な未来図を実現するための心臓部として期待されています。
新工場の建設予定地は、本社近くに位置する3万6375平方メートルもの広大な敷地です。2020年04月に着工し、2021年04月からの本格稼働を予定しています。現在、同社の主力製品である工作機械は主に本社工場で造られていますが、近年の好調な業績に伴い、製造現場では深刻なスペース不足が課題となっていました。今回の投資は、まさに待望の一手と言えるでしょう。
特筆すべきは、単なる増産だけを目的としていない点です。新工場では、顧客の細かなニーズに合わせて機械の仕様を変更する「カスタマイズ」の工程を集約し、生産効率を劇的に高める計画となっています。工作機械とは、金属などを削って部品を作るための「機械を作るための機械」であり、母なる機械(マザーマシン)とも呼ばれます。その精度を左右する最終調整の質が、さらに向上することは間違いありません。
顧客満足を追求する「魅せる工場」の誕生
今回の計画には、取引先とのリレーションシップを深めるための工夫も随所に凝らされています。仕入れ先や顧客と綿密な打ち合わせを行うための専用スペースに加え、製造工程を間近で体感できる工場見学用の通路も設置される予定です。こうした「開かれた工場」の姿勢は、製造現場の透明性を高め、ブランド価値をさらに強固なものにするはずです。
2019年11月15日に発表された2019年04月から09月期の連結決算を見ても、売上高は前年同期比8%増の114億円、純利益も同8%増の7億2600万円と非常に堅調です。SNS上では「地元の優良企業がさらに大きくなるのは頼もしい」「日本のものづくりの底力を感じる」といったポジティブな反応が多く見られ、地域経済の活性化への期待も高まっています。
筆者の視点としては、自動化や省人化が加速する現代において、あえて「カスタマイズ」という人の技術が問われる工程に投資する同社の姿勢に感銘を受けます。汎用品ではない、付加価値の高いものづくりこそが、国際競争力を勝ち抜く鍵となるでしょう。売上高を現在の約1.5倍に引き上げるという目標は野心的ですが、この新工場がその強力なエンジンとなることは疑いようがありません。
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