2019年12月24日の東京株式市場において、インターネットイニシアティブ(IIJ)の株価が躍進を見せました。一時、前日比で135円、率にして5%もの上昇を記録し、3045円という2013年12月以来、約6年ぶりとなる高値を更新したのです。クリスマスイブに届いたこの明るいニュースは、投資家の間で大きな話題となりました。
今回の急騰を後押ししたのは、住友商事などと共同で「ローカル5G」事業を手掛ける新会社を設立したという発表です。SNS上でも「IIJがついに本命の動きを見せた」「ローカル5Gの普及が現実味を帯びてきた」といったポジティブな反応が相次いでおり、次世代通信インフラの主導権を握る同社への信頼が改めて示された形と言えるでしょう。
そもそも「ローカル5G」とは、特定の企業や自治体が自社の敷地や特定の地域内だけで運用できる専用の5Gネットワークを指します。一般的な携帯電話キャリアが提供する全国網とは異なり、自分たちだけの「専用高速道路」を持てるようなイメージです。これにより、工場の遠隔制御や超高精細な映像配信が、混雑を気にせずスムーズに実現可能となります。
法人需要の爆発的拡大と成長への課題
新会社では、全国各地のケーブルテレビ事業者とタッグを組み、光ファイバー網と各家庭をワイヤレスの5Gで結ぶ構想を描いています。IIJは2019年11月にも2020年3月期の純利益予想を上方修正しており、業績の勢いは衰えるどころか加速しています。個人向け市場が成熟する一方で、法人向けのITインフラ需要は今まさに黄金期を迎えているのです。
専門家の間では、モノがインターネットにつながる「IoT」の普及が、同社の潜在的な成長力をさらに引き出すと予測されています。しかし、投資の観点では冷静な目も必要でしょう。2019年8月の安値から株価は既に5割以上も上昇しており、利益の何倍まで買われているかを示す指標であるPER(株価収益率)は35倍を超え、やや過熱気味な水準です。
私は、今回の提携がIIJにとって単なる業績の上乗せ以上の意味を持つと考えています。ネットワーク構築のプロである同社が住友商事の資本力と組むことは、社会インフラのDXを牽引する強力な布石となるはずです。ただし、期待が先行している分、実益としての貢献が遅れれば調整局面も予想されます。今はその将来性を信じつつ、冷静に見守るべき局面です。
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