2019年6月24日、私たちはG20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)の議長国として、高齢化という世界共通の課題に本格的に向き合っています。この問題は、日本が世界に先駆けて経験している「高齢先進国」であるという点だけでなく、今や地球規模で進行している普遍的なテーマだからこそ、優先課題として設定し、議論を重ねてきたのです。
医学の進歩や公衆衛生の改善は、素晴らしいことに人々の寿命を大きく延ばしました。しかし、それに伴い、高齢化は途上国や新興国を含むグローバルな現象となっています。国連の統計によれば、世界の60歳以上の人口は2050年には20億人を超えると予測されており、その約80%が低中所得国に集中すると見られています。この数字は、私たちが目を背けることのできない、未来の金融サービスのあり方に関わる大きな警鐘ではないでしょうか。
この高齢化という波は、すべての人に金融排除のリスクをもたらします。今は当たり前に使えている金融サービスも、認知機能や身体機能の低下は誰もが経験しうるものですから、将来的にサービスが使えなくなる可能性は誰にでもあります。さらに、高齢者を取り巻く環境は、家族構成、住居、ジェンダー、所得、健康状態など、極めて多様性に富んでいます。
私は、この長寿化の時代において、現役世代の早い段階から、いかに資産寿命を延ばすかという計画を立てておくことが、極めて重要だと考えます。そのためには、国民一人ひとりの金融リテラシー(お金に関する知識や判断力)の向上が不可欠です。もちろん、高齢になった際も、低下した認知機能や身体機能にしっかりと応じた金融サービスを提供していくことが、一層重要になってくるでしょう。
このような背景のもと、**金融包摂のためのグローバル・パートナーシップ(GPFI)**では、高齢化が金融包摂に与える課題と機会について集中的に議論がなされてきました。その成果として結実したのが、「G20福岡ポリシー・プライオリティ」です。この文書は、金融リテラシーの強化や、フィナンシャルプランニング(生涯の資金計画)の支援といった、高齢化社会で誰もが金融サービスから取り残されないようにするための重要な指針をまとめています。
G20の財務大臣・中央銀行総裁会議でのこの議論と成果は、SNS上でも大きな反響を呼んでいます。「長寿化は喜ばしいが、老後の資金計画は本当に不安だ」「認知症になった時の預金管理はどうなるのか」といった個人の不安の声が多数見受けられる一方、「日本がリーダーシップを発揮して具体的な指針を出したのは素晴らしい」「すべての金融機関がこの指針をサービスに反映すべきだ」といった、政策に対する期待と、今後の具体的な行動を求める声が多く寄せられています。
私は、この「G20福岡ポリシー・プライオリティ」が、単なる文書で終わるのではなく、持続可能な社会を構築するための強固な土台となることを強く願ってやみません。各国政府、金融機関、関連事業者がこの指針を出発点として、密接に連携し、誰もが安心して暮らせる未来のために、一歩を踏み出すことを期待する次第です。
コメント