サウジアラムコが256億ドルの史上最大IPO!2019年世界市場の激動とユニコーン神話の転換点

2019年の株式市場を象徴する数字といえば、間違いなく「256億ドル」でしょう。12月にサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」が地元市場で成し遂げた新規株式公開(IPO)は、まさに歴史を塗り替える出来事となりました。調達額は約2兆7900億円に達し、2014年にアリババ集団が記録した世界最高額を更新しています。

時価総額も驚異の約2兆ドルを記録し、あの米アップルを抜いて世界一の座に君臨しました。SNSでは「桁が違いすぎる」「国家規模の巨大企業が動いた」と、その圧倒的な資本力に驚きを隠せない声が数多く投稿されています。しかし、この華々しいニュースの裏側で、世界全体を見渡すとIPO市場には冷ややかな風も吹き抜けています。

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米中摩擦の影とユニコーン企業への厳しい視線

アーンスト・アンド・ヤング(EY)の調査によれば、2019年の世界全体のIPO件数は1115件と、前年より19%も落ち込みました。最大の要因は長期化する米中貿易摩擦であり、世界経済の先行き不透明感が投資家を慎重にさせています。また、かつての「ユニコーン」に対する過剰な期待が、大きな揺り戻しを迎えた一年とも言えるでしょう。

ユニコーンとは、企業価値が10億ドルを超える未公開企業の呼称です。5月に上場したウーバー・テクノロジーズは、足元で公開価格を大幅に下回る苦戦を強いられています。さらにシェアオフィス大手のウィーカンパニーに至っては、9月の上場を断念する事態にまで発展しました。夢を追うばかりではなく、企業の収益力を見極める冷静な目が必要な時代です。

アジアの台頭と香港・上海市場の熱気

欧米が停滞する一方で、目覚ましい活気を見せたのが中国市場です。特に上海取引所に新設されたハイテク企業向けの「科創板(スター・マーケット)」は、高い注目を集めています。従来の取引所のような株価収益率(PER:利益に対して株価が何倍かを示す指標)の厳しい制限がなく、多くの新興企業がここを上場の舞台に選びました。

デモの影響が懸念された香港市場も、蓋を開けてみれば世界首位の調達額を維持しています。11月にはアリババが重複上場を果たすなど、取引所の魅力は衰えていません。こうしたアジアの勢いは、世界のIPOにおけるアジア太平洋地域のシェアが60%に達したことからも明白です。もはや市場の主役は東へと移りつつあるのかもしれません。

2020年の展望:米大統領選を控えた「年前半」が勝負

来る2020年は、米中摩擦の緩和期待から市場の復調が予想されています。しかし、11月の米大統領選による混乱を避けるため、多くの企業は年前半の上場を狙うことになるでしょう。注目は、動画投稿アプリ「TikTok」を運営するバイトダンスや、民泊大手のエアビーアンドビーといった超大物たちの動向です。

個人的な見解を述べれば、これまでの「赤字でも成長性があればOK」という風潮は終わりを告げ、実利を伴うビジネスモデルが問われるフェーズに突入したと感じます。アラムコのような重厚長大な巨大企業から、デジタル経済を支える新星まで、投資家はよりシビアにその真価を見定めることになるはずです。市場の変動を注視していきましょう。

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