2019年現在、お笑い界で最も熱い視線を浴びている若手トリオといえば、間違いなく「四千頭身」でしょう。デビュー4年目、メンバー全員が22歳という若さながら、その独特な空気感でお茶の間を席巻しています。2019年4月には人気番組「アメトーーク!」にそれぞれが出演を果たすなど、ネタの面白さだけでなく個々のキャラクターでも注目を集めているのです。
彼らの出会いは、多くの人気芸人を輩出してきたタレント養成所「ワタナベコメディスクール」でした。高校卒業後に入学した彼らは、それぞれ別のコンビやトリオを経験したのちに、現在の3人で結成に至ります。四千頭身の代名詞とも言えるのが、まるで友人同士の何気ない日常会話を覗き見しているような、自然体で展開される漫才スタイルです。
天真爛漫なボケと低体温なツッコミが生む「脱力系」の衝撃
漫才(まんざい)とは、主に2人組が会話を通じて笑いを作る演芸ですが、彼らはそれを3人で巧みに操ります。都築拓紀さんと石橋遼大さんが天真爛漫にボケを重ね、そこに後藤拓実さんが低いテンションで淡々とツッコミを入れる。この温度差が、これまでの芸人にはなかった「脱力系」という新しいジャンルを確立させたと言えるでしょう。SNS上でも「このゆるさが癖になる」「後藤さんのツッコミが絶妙」と大きな反響を呼んでいます。
彼らのお笑いの原点を探ると、意外なルーツが見えてきます。都築さんは2009年から2010年にかけて放送されたバラエティ番組「爆笑レッドシアター」に憧れ、特にはんにゃさんの大ファンだったそうです。一方の後藤さんと石橋さんは本格的な漫才への志向が強く、関西の実力派芸人である学天即やかまいたちさんの話題で意気投合したというエピソードからは、彼らの漫才に対するストイックな姿勢が伺えますね。
彼らが一躍脚光を浴びるきっかけとなったのは、2017年に放送された「新しい波24」への出演でした。この番組を機に「ネタパレ」や朝の情報番組「ZIP!」など、露出を急激に増やしていきます。ネタ作りを担う後藤さんは、現状に満足することなく「M-1グランプリ」などの賞レースでの勝利を明確な目標に掲げています。現在は漫才が中心ですが、将来的にはコントの大会への挑戦も視野に入れているようです。
トリオの可能性を広げ、YouTubeでも新たなファン層を獲得
「トリオはコンビよりも展開を作りやすい」と語る彼らは、3人という構成を最大限に活かした笑いを追求しています。まだ誰も手をつけていないトリオ漫才の形をすべてやり尽くし、後輩たちを困らせたいと笑いながら意気込む姿には、新世代のリーダーとしての頼もしさを感じます。一方で、トーク番組では他者の話を聞く余裕を持つことが課題だと冷静に自己分析する一面もあり、その謙虚さがさらなる成長を予感させます。
また、彼らはテレビだけでなくデジタル領域でも存在感を示しています。YouTubeに公式チャンネルを開設し、週1回のペースで動画を配信中です。2019年7月5日時点で登録者数は14万人を超え、テレビとは一味違う企画やショートムービーなどで若者を中心に支持を広げています。テレビを主戦場にしつつ、ネットからもファンを増やす戦略は、まさにデジタルネイティブ世代らしい賢明な選択と言えるのではないでしょうか。
編集者としての私の視点では、四千頭身の魅力は「頑張りすぎない格好良さ」にあると感じます。声を張り上げ、過剰なアクションで笑いを取るスタイルが主流だった中で、彼らの等身大な姿は現代の視聴者に心地よい共感を与えています。バナナマンさんやバカリズムさんのように、日常の会話だけで笑いを生み出せる存在になりたいという彼らの夢は、そう遠くない未来に現実のものとなるはずです。
2019年7月5日現在、ロケットスタートを切った四千頭身の快進撃はまだ始まったばかりです。お笑い界の新しい地図を塗り替えようとする22歳の若武者たちが、これからどのような景色を見せてくれるのか。物件リサーチの番組に出たいと語る等身大な彼らの素顔も含め、その動向から一瞬たりとも目が離せません。次世代のお笑い界を牽引する彼らを、私たちはこれからも全力で注目し、応援し続けていきたいものです。
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