静岡県熱海市で今、街の未来を形作る「ATAMI2030会議」が注目を集めています。2019年12月26日現在、この会議の初回から委員を務める水野綾子氏は、熱海という土地をより良くしたいと願う人々の情熱に触れながら、自身も深い感銘を受けてきました。彼女は熱海の地元企業と、高いスキルを持つ首都圏の人材を結びつける架け橋として、新たなビジネスを展開しています。
水野氏が運営するのは、副業や兼業を促進するサイト「サーキュレーションライフ」です。このサービスは、企業が求める専門的な知識や経験を持つ人材を、外部から柔軟に取り入れる支援を行っています。2018年度に経済産業省が実施した実証事業では、わずか4社の募集に対して330人もの応募が殺到しました。この出来事は、地域貢献を志す都市部の人材がいかに多いかを物語っているでしょう。
こうした圧倒的な反響に対し、SNS上でも「熱海のような魅力的な場所で副業ができるなら是非参加したい」「自分のスキルが地域課題の解決に役立つのは嬉しい」といった前向きな声が次々と上がっています。水野氏は、単に人を送るだけでなく、企業の戦略と人材をいかに高い精度で合致させるかが成功の鍵であると確信し、独自のサポート体制を構築するに至りました。
マッチングの精度を追求するため、水野氏は企業への丁寧なヒアリングを欠かしません。採用の場では面接の設計や質問内容の検討に深く関わり、時には自ら面接に立ち会うほど徹底しています。彼女自身が東京と熱海の2拠点生活、いわゆる「デュアルライフ」を実践してきたからこそ、働く側と受け入れる側の双方が抱く期待や不安を肌で感じ取れるのです。
「サーキュレーション」という言葉には、2つの拠点で培った技術や知識を互いに還元し、循環させるという願いが込められています。これは、一つの会社に縛られず複数の現場で活躍する「パラレルキャリア」の考え方にも通じるものです。熱海では現在、こうした外部人材の知見を取り入れた創業支援プログラムが活発化しており、地域特有の課題を解決する新事業が続々と誕生しています。
編集部としては、この「循環」こそが、人口減少に悩む地方都市が生き残るための決定打になると考えています。特定の企業に完全に移住するハードルは高くても、副業という形なら優秀なプロフェッショナルが参画しやすくなるからです。熱海の挑戦は、これからの日本における新しい働き方と地域活性化のモデルケースとして、大きな希望を提示していると言えるでしょう。
コメント