2019年12月27日、世界的なラグジュアリーブランドを束ねるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)日本法人のノルベール・ルレ社長が、現在の日本市場について非常に興味深い見解を示しました。日本進出から40年以上の歴史を刻む同社ですが、既存店を含めて2019年は過去最高の業績を記録する見込みだといいます。
ルレ氏は、今後の成長スピードこそ緩やかになる可能性を示唆しつつも、高級ブランド市場が急激に冷え込むことはないと力説しています。実際、同社の業績はこの3年間で前年比1割増を維持し続けており、2019年に至っては2割弱もの増加を予測しています。この驚異的な数字は、日本経済の成熟を象徴しているかのようです。
好調を支える最大の要因として挙げられたのは、消費者の構造的な変化です。働く女性の社会進出や、活力あるシニア世代の台頭により、個人の消費余力が予想以上に高まっているとルレ氏は分析します。特にバブル経済の熱狂を肌で知る60代の方々による高額消費が、市場全体の大きな追い風となっている状況が見て取れます。
SNS上では「ルイ・ヴィトンのバッグは一生モノだから、結局コスパが良い」といった、単なる贅沢品としてではなく価値の持続性に注目する声が目立ちます。百貨店の閉店という暗いニュースが地方で続く一方で、大都市圏の店舗には熱心な固定客が足を運び続けており、実店舗での体験価値が再評価されているのです。
若年層の環境意識と「デフレ」という壁に挑む戦略
しかし、LVMHは現状の成功に甘んじているわけではありません。ルレ氏は、今の10代を中心とした若者が抱く高い「環境意識」に注目しています。彼らにとって魅力的なブランドであり続けるためには、エコ素材の採用やデザイン面での絶え間ない技術革新が、もはや避けては通れない必須条件となっているようです。
ここで重要になるのが「サステナビリティ(持続可能性)」という考え方です。これは、環境を保護しながら将来にわたって活動を維持することを指します。高価であっても長く愛用できる製品を提供することで、現代の賢い消費者たちのニーズに応えようとする同社の姿勢は、まさに時代の先端を走っていると言えるでしょう。
その一方で、ルレ氏は「デフレ社会はブランドにとって面白くない」と、厳しい表情で経済環境への危機感も滲ませます。デフレとは物価が下がり続ける現象ですが、職人の技術や素材の価値を重視する高級ブランドにとって、安易な値下げ圧力は本来の魅力を損なうリスクを孕んでいるからです。
私個人としては、LVMHのこうした強気な姿勢こそが、停滞する日本経済に刺激を与えるカンフル剤になると確信しています。単に安いものを求めるのではなく、長く使える本物に投資する文化が定着すれば、私たちの生活はより豊かになるはずです。逆風の中でも進化を止めることのない同社の動向から、今後も目が離せません。
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