2019年12月27日、日本経済新聞社から最新の景気動向を示す「日経景気インデックス(日経BI)」の速報値が発表されました。11月の指数は前月と比較して0.7ポイント下がり、98.7という結果になっています。これは2カ月連続のマイナスとなり、数値そのものも2016年6月以来、実におよそ3年半ぶりの低い水準まで落ち込みました。
そもそも日経BIとは、企業の生産活動や雇用の状況、物の売れ行きなど、複数の重要なデータを合算して算出される指標のことです。現在の日本の経済が元気なのか、それとも元気がなくなっているのかを客観的に判断するための「体温計」のような役割を果たしています。この数値が大幅に下がったことは、景気の後退を強く示唆していると言えるでしょう。
今回の低下の背景には、指数を構成する3つの要素が複雑に絡み合っています。まず、工場などの稼働状況を表す「鉱工業生産」が著しく悪化しました。SNS上では、製造業に携わる方々から「現場の仕事が減っている実感がある」といった不安の声も上がっています。一方で、仕事の探しやすさを示す「有効求人倍率」については、大きな変動がなく横ばいの状態を維持しました。
明るい材料を挙げるとすれば、デパートやスーパーなどの売り上げを示す「商業販売額」には改善の兆しが見られた点です。消費税増税後の落ち込みから、少しずつ買い物の活気が戻りつつあるのかもしれません。しかし、生産部門の落ち込みが激しいため、全体としては厳しい評価を下さざるを得ないのが現状です。働く人々の給与や雇用への影響が、今後さらに懸念されます。
筆者の見解としては、生産の鈍化が続く現状は楽観視できないと考えています。消費の持ち直しを支えつつ、いかにして国内製造業の活力を再燃させるかが、2020年に向けた大きな課題となるはずです。世界情勢の不透明さも相まって、私たち一人ひとりが家計の守りを固めながら、注意深く経済の動向を見守っていく必要があるのではないでしょうか。
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