秋の深まりを感じる2019年12月14日、紅葉に染まる山道をドライブしている最中に、思わぬ恐怖を体験することがあります。ある地方取材の朝、片側一車線の国道で若い編集者が運転する車を執筆者が後方から見守っていたところ、背後から軽自動車による執拗な「あおり運転」に遭遇しました。安全を最優先し、道を譲ることで事態の収束を図ろうとした一行でしたが、その先に待っていたのは、想像を絶する身勝手な走行ルール違反の連続だったのです。
赤信号で停車した際、あおりを続けていた軽自動車は右折車線を利用して強引に追い抜き、青信号と同時に直進車線へと割り込むという暴挙に出ました。SNSでも「最近のドライバーはモラルが欠如している」といった怒りの声が散見されますが、まさにその現場を目の当たりにした瞬間と言えるでしょう。驚くべきことに、そのハンドルを握っていたのは、紅葉狩りの駐車場探しに血眼になっていた高齢のご夫婦でした。
「危険性帯有者」への厳しい目と法改正のゆくえ
あおり運転は決して若者や特定の層だけの問題ではなく、全世代に潜む社会的な病理であることが浮き彫りになっています。現在、政府内ではあおり運転に対する罰則を大幅に強化する検討が進められており、2020年の通常国会には法案が提出される見通しです。特筆すべきは、最も重い処分が運転免許の「取り消し」へと格上げされる点であり、これによって身勝手なドライバーに対する強力な抑止力が働くことが期待されています。
ここで注目される「危険性帯有者(きけんせいたいゆうしゃ)」という言葉は、道路交通法において、将来的に著しく交通の危険を生じさせる恐れがあると判断された人を指す専門用語です。今回のような悪質な運転を繰り返す人物は、まさにこの定義に該当すると言えるでしょう。一発で免許を失うリスクを突きつけることで、感情をコントロールできないドライバーを路上から排除できるかどうかが、今後の大きな議論の焦点となりそうです。
編集者としての視点から言えば、厳罰化は不可避な流れであると考えます。しかし、現場の警察官が被害の状況をいかに迅速かつ正確に認定するかという運用面での課題は、決して小さくありません。ドライブレコーダーの普及が進む中、テクノロジーと法律の両輪で、すべての世代が安心してハンドルを握れる環境を整える必要があります。美しい景色を楽しむためのドライブが、誰かの身勝手な焦りで台無しにされる世の中であってはならないのです。
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