ノーベル賞・本庶佑氏が語る「がん克服」への羅針盤!日本の生命科学研究に不可欠な「国による投資」の正体とは?

2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授が、2019年11月28日に大阪市内で開催された「関西経済人・エコノミスト会議」に登壇しました。革新的ながん免疫治療薬「オプジーボ」の開発へ繋がる礎を築いた知の巨人が、日本の科学技術が直面する危機と、未来への展望を熱く語っています。

生命科学の世界には、いまだに果てしない未知の領域が広がっていることを本庶氏は強調しました。たとえ全ゲノムが解読されたとしても、私たちが真に理解できているのは、複雑なDNA情報のごく一部に過ぎないというのです。未知を切り拓くには、短期間での利益が保証されない「基礎研究」への長期的な支援が欠かせません。

本庶氏は、巨額の資金を投じて新領域を開拓し続ける米国を引き合いに出し、政府による積極的な投資の必要性を強く訴えています。企業の論理だけでは賄えない、科学の根幹を支える部分に国が責任を持つことこそが、日本の将来を左右する鍵となるでしょう。ネット上でも「目先の利益ばかり追う現状を打破してほしい」と共感の声が広がっています。

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日本の製薬業界が抱える課題と「がん克服」へのパラダイムシフト

一方で、本庶氏は国内の製薬メーカーに対して「弱い」と厳しい評価を突きつけました。その背景には、日本の基礎研究を過小評価し、自社の研究所を縮小させている現状があります。さらに海外企業の買収に活路を見出そうとしても、社内に「目利き」ができる人材が不足しているため、迅速な意思決定ができていないと鋭く分析しました。

そもそもオプジーボ誕生のきっかけとなった「PD-1」分子の発見は、当初がん治療とは全く無関係な研究からスタートしたものです。特定の分子が免疫反応を抑制する仕組みを解明し、がん細胞がそのシステムを悪用していることを突き止めたこの成果は、治療の常識を根底から覆す「パラダイムシフト(当然と考えられていた認識の劇的変化)」を起こしました。

もちろん、課題も残されています。現時点ではオプジーボが効く患者さんは一部に限られており、副作用のメカニズムも完全には解明されていません。こうした課題を解決するため、2020年には京都大学にがん免疫療法の総合研究センターが設立される予定です。こうした一歩一歩が、人類の希望へと繋がっていくに違いありません。

本庶氏は「21世紀中にはがんを克服できる」という力強い展望を語りました。たとえ完全に体から排除できなくとも、免疫の力でがんをコントロールし、慢性疾患のように付き合っていく時代が来れば、患者さんは穏やかな余生を謳歌できるはずです。科学を信じ、未来へ投資する姿勢こそが、私たちに真の豊かさをもたらすのではないでしょうか。

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