20代・30代がスナックに夢中?サードプレイスが繋ぐ「令和の宴」と新しいコミュニティの形

おじさんたちの聖地というイメージが強かった「スナック」が、今、若者たちの手によって鮮やかな変貌を遂げています。2020年01月01日現在、世代や国籍の壁を軽々と飛び越えるボーダーレスな「宴」の輪が広がっているのです。SNSでは「知らない人と本音で話せる場所が欲しかった」といった声が相次いでおり、デジタルネイティブ世代が敢えてアナログな空間を求める現象が注目を集めています。

東京・赤坂の一角にあるスナック「3rd(サード)」は、2019年10月にオープンしたばかりの20代から30代限定の会員制スナックです。週末の夜、店内では最新のヒット曲が大合唱され、初対面同士の若者が肩を並べて語り合っています。ここでは医師やエンジニア、コンサルタントといった多様な職種の若者が、肩書きを脱ぎ捨てて偶然の出会いを楽しんでいるのが印象的ですね。

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「サードプレイス」としてのスナックの価値

共同オーナーの山崎大輝さんは、スナックを「家庭でも職場でもない、素の自分でいられる第3の居場所」と定義しています。これは都市社会学で提唱される「サードプレイス」という概念そのものです。仕事の緊張感からも、家庭の役割からも解放され、少し「だらしない自分」を許容してくれる場所。そんな昭和の文化を自分たちの世代に手繰り寄せたのが、この「3rd」の魅力でしょう。

SNSが普及した現代では、アルゴリズムによって自分の好みに合う情報ばかりが流れてきます。しかし、それは裏を返せば「予期せぬ出会い」が失われているということでもあります。炎上を恐れて本音を隠しがちなネット社会だからこそ、顔の見えるリアルな場で熱く語り合いたいという欲求が、クラウドファンディングでの開業支援という形になって現れたのではないでしょうか。

こうした動きは飲み屋の枠を超え、「旅」というテーマでも広がっています。立命館大学の藤田佑亮さんが主宰する「夜タビ物語」もその一つです。2019年11月の大阪開催では、20代の若者たちが午前0時から夜明けまで語り明かしました。旅先で感じるあの独特の開放感と高揚感を、日常の夜に持ち込む試みは、参加者にとって自らの世界を広げる貴重な機会となっています。

私自身、こうした若者の動きには非常にポジティブな可能性を感じています。効率や正解ばかりが求められる世の中で、一見すると生産性のない「語り合い」に時間を費やすことは、精神的な豊かさを取り戻す儀式に近いのかもしれません。デジタルで完結しない、体温の伝わるコミュニティこそが、これからの時代を支えるセーフティネットになるはずです。

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