お金に「心」を乗せて送る未来!新通貨ユーモが繋ぐ共感コミュニティと収穫体験の魅力

冬の柔らかな日差しが降り注ぐ2019年12月上旬の茨城県結城市。ここにある「マーフィーズファーム」では、子供たちの元気な声が響き渡っていました。都心から訪れた5世帯16人の家族連れが、土の香りに包まれながらブロッコリーや大根の収穫に汗を流しています。収穫の喜びを分かち合った後は、隣接する日本家屋で温かな食卓を囲むひとときが待っていました。

この農園での支払いに使われたのは、現金でも一般的な電子マネーでもありません。室内に掲げられたQRコードをスマートフォンでスキャンすると、画面には「ユーモ(eumo)」という聞き慣れない通貨単位が表示されます。これは2019年に実証実験が開始された、利潤よりも「人の想い」を重視する新しいコミュニティ通貨なのです。SNS上でも「お金の概念が変わるかも」と期待の声が上がっています。

農園を切り盛りする篠塚政嗣さんは、かつての会社員生活に区切りを付け、祖父から受け継いだこの地で野菜作りに情熱を注いでいます。彼は単に農作物を売るのではなく、栽培の背景にある物語を届けたいと考えています。参加者の一人は、職場や家庭とは異なる「共感で繋がれるサードプレイス」としての魅力を語り、この新しい経済の形に深い充足感を感じている様子でした。

スポンサーリンク

「貯められない」からこそ価値が出る?共感資本主義の旗手が描く新ルール

このユニークな仕組みを考案したのは、鎌倉投信の創業者として知られる新井和宏氏です。彼は、効率や競争を重視する従来の日本円による経済システムに一石を投じました。ユーモには「お金に色をつける」「有効期限を設けて貯められないようにする」といった独自のコンセプトがあります。お金を循環させることで、腐敗せず常に新しい縁を生む仕組みを目指しているのでしょう。

現在、この通貨が利用可能な拠点は全国に24か所点在していますが、その多くは北海道から沖縄までのアクセスが必ずしも良くない地域です。効率を求める市場原理では不利な場所だからこそ、あえてそこへ足を運ぶ価値が生まれます。2019年12月下旬時点で会員数は934名に達しており、単なる決済手段を超えた「応援の印」として、着実にその輪が広がっているのです。

私は、このユーモという試みが、現代人が忘れかけている「贈与」の精神をデジタルで見事に再現していると感じます。数字を増やすことが目的の経済から、誰かを笑顔にするために使う経済へ。働き方が自由になった現代において、お金のルールが多様化するのは自然な流れだと言えるでしょう。共感を軸にしたこの優しい通貨が、私たちの生活に新しい豊かさをもたらすに違いありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました