【NECの新技術】手荷物検査が「歩くだけ」に!2020年度実証開始でイベント会場の行列が消える?

華やかなイベントや熱狂的なスポーツ観戦の入り口で、誰もが一度は経験する「手荷物検査の長い列」。安全のためには欠かせないプロセスですが、スタッフが一つずつカバンの中を確認する時間は、高揚した気分を少しだけ冷ましかねません。こうした現場の課題を解決するため、NECは2019年12月23日までに、立ち止まることなく通過するだけで手荷物の不審物を検知できる画期的な技術を開発したと発表しました。

この技術の核心は、荷物に電波を照射して内部物質を特定する点にあります。驚くべきはそのスピードで、わずか数十ミリ秒という一瞬の間に200回もの撮影を行うことが可能です。SNS上では「これが実用化されれば、スタジアムへの入場が劇的にスムーズになる」「空港の保安検査場でのストレスが減りそうで期待大」といった、未来の利便性向上を心待ちにするポジティブな声が数多く寄せられています。

スポンサーリンク

ボディースキャナーを超えた「動体検知」の秘密

現在、空港などで導入されている「ボディースキャナー」は、非常に高精細な画像を生成できる一方で、撮影に時間がかかるため対象者が静止しなければならないという制約がありました。今回NECが開発した装置は、子供の背丈ほどのセンサーユニットを通路の両側に設置するだけで機能します。従来の課題であった「動きながらの検査」を実現するため、エンジニアたちは電波の周波数という物理的な特性に着目し、独自のブレ補正技術を完成させたのです。

ここで鍵となる「周波数」とは、電波が1秒間に振動する回数のことです。一般的に高い周波数を使えば写真のように鮮明な画像が得られますが、データ量が膨大になりすぎて計算処理が追いつきません。そこでNECは、あえて低めの周波数を採用しました。これによりアンテナの数を抑えつつ、動いている物体でも画像がブレない安定したスキャンを実現しています。まさに、精度とスピードの絶妙なバランスの上に成り立つ技術といえるでしょう。

AIが危険物を瞬時に見抜く驚異の眼

撮影された画像は、人工知能(AI)によってリアルタイムで解析されます。このAIにはスマートフォンや鍵といった日常品から、銃やアイスピック、ライターなどの危険物までが事前に学習されています。1センチメートル以上のサイズがあれば、歩行中のカバンの中にあっても見逃しません。1秒間に10枚というハイペースで画像を処理し、その中のわずか1枚にでも危険物が映り込めば、システムが即座に反応して警告を発する仕組みです。

実用化へのハードルを低くするための工夫も随所に見られます。NECは装置の改良を重ねることで、センサーの数を従来の8,000個から400個へと大幅に削減し、コストダウンを成し遂げました。これにより、これまで導入が難しかった施設への普及も現実味を帯びています。2019年に日本を沸かせたラグビーワールドカップでは100万人規模の検査が行われたとされていますが、こうした巨大イベントの裏側を支えるインフラとして、大きな期待が寄せられています。

筆者は、この技術がセキュリティーの概念を「監視」から「自然な見守り」へと変える転換点になると確信しています。将来的には装置を壁に埋め込み、来場者が検査を意識することなく安全が守られる社会を目指すとのことです。2020年度中には駅や空港、スポーツ施設での実証実験が始まる予定で、私たちの外出風景がよりスマートで安全なものにアップデートされる日は、もうすぐそこまで来ています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました