【新発見】市販の風邪薬が腎不全・肝障害を救う?東北大学が挑む「ドラッグリポジショニング」の最前線

私たちの身近にある「風邪薬」や「抗菌薬」が、深刻な臓器のダメージを救う救世主になるかもしれません。東北大学病院の三島英換院内講師や阿部高明教授らの研究チームは、既存の医薬品成分が腎障害や肝障害の悪化を抑制することを突き止め、医療界に大きな衝撃を与えています。2019年12月23日に発表されたこの成果は、九州大学との共同研究によるもので、権威ある米国腎臓学会誌の電子版にも掲載されました。

SNS上では「いつも飲んでいる薬にそんな可能性があったなんて驚きだ」「透析予備軍の方々にとって大きな希望になるのでは」といった、期待と驚きの声が続々と寄せられています。今回の研究が注目されている最大の理由は、すでに安全性が確認されている薬を別の疾患の治療に転用する「ドラッグリポジショニング」という手法を採用している点にあります。ゼロから新薬を開発するよりも、実用化へのハードルが格段に低いことが特徴です。

スポンサーリンク

細胞死「フェロトーシス」を食い止める驚きのメカニズム

急激に腎臓や肝臓の機能が低下する急性障害は、これまで「フェロトーシス」と呼ばれる特殊な細胞死が引き金になると考えられてきました。このフェロトーシスとは、細胞内の鉄分に依存して脂質が酸化し、細胞膜が破壊されて死滅していく現象を指します。いわば細胞の「酸化によるサビ」が原因で臓器が壊れていくようなイメージです。研究チームは、この連鎖を断ち切る物質が既存の薬の中に隠されていないか、ラットの心筋細胞を用いて検証を行いました。

実験の結果、風邪薬に含まれる成分「プロメタジン」や、結核などの治療に使われる抗菌薬「リファンピシン」に、フェロトーシスを劇的に抑える効果があることが判明したのです。特殊な試薬を用いた解析では、これらの成分が脂質の酸化プロセスで発生する「脂質ラジカル」という有害な反応を消去していることが分かりました。ラジカルとは、他の物質を酸化させる力の強い不安定な分子のことで、これを取り除くことが臓器を守る鍵となります。

医療現場の未来を変える、編集部も注目の画期的なアプローチ

今回の発見について、私自身も医療のコストとスピードを劇的に変える可能性を強く感じています。通常、新薬の開発には10年以上の歳月と巨額の費用がかかりますが、既存薬を活用すれば副作用のデータが蓄積されているため、患者さんの元へ届くまでの期間を大幅に短縮できるはずです。特に治療法の選択肢が限られている急性の臓器障害において、身近な薬が「特効薬」に化ける可能性は、まさに医学のパラダイムシフトと言えるでしょう。

今後はさらに大きな動物を対象とした実験が進められ、実際の患者さんを対象とした臨床試験(治験)へとステップアップしていく計画です。2019年12月23日時点での発表によれば、腎障害や肝障害の予防・治療法として確立されることが期待されています。ドラッグリポジショニングという知的な戦略が、日本の優れた研究によって実を結ぼうとしている今、私たちの健康を守る選択肢がまた一つ増える日はそう遠くないのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました