世界最大のクラウドサービスを展開する米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を牽引するアンディ・ジャシーCEOが、日本経済新聞の取材に対してIT業界の未来図を語りました。2019年12月26日現在、同社は年間売上高4兆円規模に達しながらも年率35%という驚異的なスピードで成長を続けています。かつて固定費として重くのしかかっていたITインフラを、必要な分だけ利用する「変動費」へと変えたクラウド革命は、今まさに第2章へ突入しようとしています。
SNS上では「もはやAWSなしでは世界のビジネスが回らない」「成長率が怪物級だ」といった驚嘆の声が上がっており、その圧倒的な市場支配力に注目が集まっています。ジャシー氏は創業時を振り返り、自社が必要としていた信頼性の高い基盤を提供したいという想いはあったものの、現状の急成長は当時の想像を遥かに上回るものだったと明かしました。企業がスピード感を持って事業を展開できる柔軟性こそが、この成功を支える核心的な価値と言えるでしょう。
世界シェアの伸び代と「AI内蔵」が当たり前になる新時代
これほどの普及を見せているクラウドですが、ジャシー氏は「世界のIT投資全体で見れば、クラウドの比率はまだ3%に過ぎない」と冷静に分析しています。特に大企業や政府機関などの公共部門における移行は始まったばかりであり、米国以外の諸国はさらに1年から3年ほど導入が遅れているのが現状です。つまり、クラウド市場には依然として莫大な成長の余地が残されており、私たちの生活やビジネスが真の意味でオンライン化されるのはこれからなのです。
さらに注目すべきは、次代を担う「AI(人工知能)」の存在です。ジャシー氏は、今後10年で世の中のあらゆるアプリケーションが、AIや「機械学習」の機能を標準的に内蔵するようになると予見しています。機械学習とは、コンピューターが大量のデータから自らルールを学び取り、予測や判断を行う技術のことです。わざわざ特別なツールを使わずとも、意識しないうちにソフトの裏側で高度な知能が働く未来がすぐそこまで来ています。
編集者の視点から言えば、クラウドはもはや単なる「データの置き場所」ではなく、AIという強力なエンジンを誰もが利用できるようにするための「民主化のプラットフォーム」へと進化しています。2020年代は、一部の高度なIT企業だけでなく、あらゆる組織がクラウドを通じてAIの恩恵を享受し、サービスの質を劇的に向上させる競争の時代になるでしょう。この巨大な潮流に乗り遅れないことこそが、今後のビジネスにおける生命線となりそうです。
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