ホンダも参戦!次世代移動サービス「MaaS」の全貌と自動車メーカーが直面する収益化への高い壁

自動車業界にいま、100年に1度の大変革期が訪れています。これまでの「車を作って売る」というビジネスモデルから、移動そのものをサービスとして提供する「MaaS(マース)」への転換が急ピッチで進んでいるのです。日本国内ではトヨタ自動車の動きが目立っていますが、本田技研工業をはじめとする他の自動車メーカーも、独自の生存戦略を次々と打ち出しています。しかし、その華やかな青写真の裏側では、どの企業も実際の収益化に向けたビジネスモデルの構築に頭を悩ませており、まさに暗中模索の状況が続いています。

そんな中、本田技研工業が驚きの最先端プロジェクトを始動させました。同社はドイツのBMWやアメリカのゼネラル・モーターズ、フォード・モーター、さらにフランスのルノーという世界の巨頭たちと手を組み、ブロックチェーン技術を活用した自動決済基盤の開発に乗り出したのです。ブロックチェーンとは、データの改ざんが極めて困難な分散型の台帳技術のことで、これを移動サービスに応用しようという試みです。車1台ごとにデジタルの身分証明書を付与し、製造元から購入者、走行中のサービス履歴までを一元管理します。

この技術が実用化されれば、通信機能を備えた電気自動車が、高速道路の料金や駐車代金、さらには修理費やドライブ中の軽食代までを自動で記録できるようになります。そして、充電を行うタイミングなどでこれらを一括決済できる仕組みが整う予定です。財布やクレジットカードを取り出す手間がなくなり、移動が驚くほどスムーズになるこの取り組みは、国際団体を通じて研究が進められています。SNS上でも「車が勝手にお財布代わりになる時代が来るなんてワクワクする」といった、未来の利便性に期待を寄せる声が数多く上がっています。

さらに本田技研工業は、独自の戦略として「イーマース(eMaaS)」を提唱しました。これは、同社が強みを持つエネルギー分野と移動サービスを融合させた新しい概念です。太陽光や風力といった再生可能エネルギーと、二輪・四輪のモビリティーをデータでつなぐ先進的な試みと言えます。2020年中に日本や欧州で発売される初の量産型電気自動車「Honda e」の登場に合わせ、この戦略は本格的に動き出します。安い夜間電力を車に蓄え、昼間はスマートグリッドと呼ばれる次世代送電網へ電力を供給する仕組みです。

この壮大なインフラ構想を実現するため、同社はスウェーデンのエネルギー大手バッテンファル社と提携を結んだほか、イギリスのモイクサ社などのスタートアップにも出資を決めました。こうした異業種やライバルとの協調は、いまや新サービス開発に欠かせない要素となっています。例えば日産自動車とディー・エヌ・エーは、2019年に横浜市で自動運転車を使った交通サービス「イージーライド」の実証実験を行いました。スマホアプリで目的地を選ぶだけで、スタッフが同乗した実験車両が自動で目的地まで連れて行ってくれる体験です。

日産自動車はこの成果をもとに、2020年代前半の実用化を目標に掲げています。一方、海外ではドイツのライバル関係にあるダイムラーとBMWが2019年2月に移動サービス事業を統合し、世界1300以上の都市で9000万人が利用する巨大サービスへと成長させました。しかし、これほど期待が集まる一方で、2019年は移動サービスの「収益化の難しさ」という現実も浮き彫りになった年でした。ダイムラーとBMWの連合は北米のカーシェア事業から撤退を余儀なくされ、フォードやゼネラル・モーターズもサービスの終了や延期を発表しています。

ネット上では「便利だけど、企業が利益を出すのは本当に難しそう」「ボランティアではないから長続きするモデルが必要だ」という冷静な指摘も目立ちます。私は、自動車が単なる移動手段から社会インフラへと溶け込む過渡期において、この収益化の壁は避けて通れない試練であると考えます。単に最先端の技術を競うだけでなく、人々の生活にどのように定着させ、持続可能なビジネスとして黒字化できるか。製造業からの脱皮をかけた、世界中の自動車メーカーによる激しい主導権争いは、2020年もさらに熱を帯びていきそうです。

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