古河電気工業は2019年11月5日、2020年3月期の連結純利益が前期と比較して62%も減少する110億円になりそうだと発表しました。当初は28%減の210億円と予想されていましたが、その見通しを大幅に下回る厳しい下方修正となっています。利益水準としては実に4年ぶりの低さとなり、製造業界には大きな衝撃が走りました。
今回の業績低迷の背景には、同社の主力事業である光ファイバーの苦戦があります。光ファイバーとは、光信号を使って膨大なデータを高速で伝送するためのガラス繊維のことで、現代の通信インフラには欠かせない存在です。しかし、現在は中国メーカーによる安価な製品が市場に大量流入しており、欧州などを中心に価格競争が激化している状況にあります。
また、データセンター向けの銅箔といった高機能製品の需要回復も、当初の想定より遅れているようです。追い打ちをかけるように、台湾の拠点で発生した火災によって機能製品の生産能力が低下したことも、売上高を押し下げる要因となりました。SNS上では「通信インフラの要である古河電工の苦戦は意外だ」といった驚きや、先行きを不安視する声が散見されます。
5G・EVシフトへの先行投資が利益を圧迫
一方で、古河電気工業は決して後ろ向きな姿勢ばかりではありません。次世代通信規格「5G」の本格普及や、急速に進む自動車の電動化(EVシフト)を見据え、新製品の研究開発には積極的に資金を投じています。これらの将来投資が一時的なコスト増となり、現在の利益を押し下げる「重荷」となっている側面も否定できないでしょう。
記者会見に臨んだ小林敬一社長は、スマートフォンや自動車向け電子部材の需要が回復する時期について、2020年1月以降になるとの見解を示しました。当初は2019年10月から12月の間に回復すると見ていただけに、市況の厳しさが浮き彫りとなっています。同日発表された2019年4月から9月期の中間決算でも、北米での生産体制の遅れが響き、純利益は前年同期比38%減の60億円に留まりました。
私個人の見解としては、目先の数字こそ厳しいものの、5GやEVという成長分野への投資を緩めない姿勢は評価すべきだと考えます。インフラを支える企業だからこそ、短期的な市況に翻弄されず、技術革新の波を捉える粘り強さが求められるはずです。今はまさに、次なる飛躍に向けた「産みの苦しみ」の真っ只中にいると言えるのではないでしょうか。
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