長らく世界経済を揺るがしてきた米中の貿易戦争に、ようやく大きな節目が訪れようとしています。中国商務省の高峰報道官は2020年1月9日の記者会見にて、米国との間で進めてきた貿易協議の「第1段階の合意文書」に、2020年1月15日に正式署名することを明らかにしました。この発表を受けてインターネット上では「ようやく世界経済が落ち着くのか」「今後の関税の動きが気になる」といった安堵や期待の声が溢れており、世界中から熱い視線が注がれています。
中国側で交渉の舵取りを担ってきた劉鶴副首相は、2020年1月13日から2020年1月15日までの日程でアメリカを訪問する予定です。今回の訪米は米国側からの熱心な招待に応じた形で実現し、ワシントンのホワイトハウスで華々しく執り行われる署名式へ出席します。ちなみにここで言う「第1段階の合意」とは、知的財産権の保護や金融サービスの開放、中国による米国産品の大量購入など、双方の対立点の一部についてまず先行して妥結した約束事を指しています。
実は両国、2019年12月13日の段階でこの大枠の合意に達しており、その後は法的なチェックや翻訳といった実務的な検証作業を慎重に進めていました。米国のトランプ大統領は2019年12月31日の時点で、自身のSNSで2020年1月15日に署名式を行うと発信していましたが、中国側が公式に認めたのは今回が初めてとなります。この慎重姿勢の裏には、国内向けの調整や合意内容の精査に万全を期したいという思惑があったに違いありません。
北京の外交関係筋から伝わってきた情報によると、今回の歴史的な署名式には両国の政府高官だけでなく、企業関係者などおよそ200人規模が詰めかける大々的なセレモニーになる模様です。これほど大規模な式典になるということは、単なる書類のやり取りにとどまらず、両国が国内外に対して「関係改善のアピール」を強く印象付けたいという政治的な意図が透けて見えます。
筆者の視点として、今回の合意は世界経済の減速リスクを和らげる極めてポジティブな一歩だと評価しています。しかし、これはあくまで「第1段階」に過ぎず、中国の産業補助金問題といった構造的な深い対立は次回以降に持ち越されているのが現状です。今回の署名をきっかけに市場が一時的に活気づくのは確実ですが、今後の「第2段階」の交渉がどのように進展するのか、私たちは引き続き冷静に見守っていく必要があるでしょう。
コメント