日本の老舗メーカー、ヤマハ発動機が今、かつてないスピード感で「変身」を遂げようとしています。2020年01月03日、同社が打ち出したのは、スタートアップ企業との大胆な協業による「全方位のCASE戦略」です。これまでの常識に縛られないこの動きは、SNSでも「ヤマハの本気がすごい」「未来の乗り物が楽しみ」と、大きな期待を呼んでいます。
注目すべきは、台湾の電動バイク界の風雲児「Gogoro(ゴゴロ)」との提携でしょう。ゴゴロは、街中のステーションでバッテリーを丸ごと交換する独自のインフラ網を構築し、若者の心を掴んだ新興勢力です。かつて台湾市場で圧倒的人気を誇ったヤマハですが、この新星の登場により苦戦を強いられました。そこでヤマハは、プライドを脱ぎ捨ててゴゴロと手を組むという、驚きの決断を下したのです。
2019年08月からは、ゴゴロから車両供給を受け、ヤマハブランドとして販売を開始しています。これは単なる販売強化ではなく、電動化のノウハウを猛スピードで吸収するための布石と言えるでしょう。SNS上では「デザインはヤマハ、インフラはゴゴロ、最強の組み合わせでは?」といった声も上がっており、伝統の美学と最新技術の融合に熱い視線が注がれています。
二輪車の枠を超える!CASEが導く次世代モビリティー
ヤマハが掲げる「CASE」とは、コネクテッド(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェアリング(共有)、エレクトリック(電動化)の頭文字を取った、自動車業界を揺るがす次世代の潮流です。この波に乗り遅れまいと、同社は2019年01月に和歌山市の「グラフィット」へ出資。折り畳み自転車のような見た目でありながら電動バイクとして走れる、全く新しいジャンルの開拓に挑んでいます。
さらに、その視野は海を越えて広がります。2018年にはシンガポールの配車サービス大手「グラブ」へ約170億円を投じました。東南アジアの足であるバイクタクシーの走行データを収集し、次世代の製品開発に活かす狙いです。こうした「現場の生の声」をデジタルデータとして吸い上げる戦略は、まさにIT企業のような機敏さを感じさせます。
AI(人工知能)分野では、米国の半導体巨人「エヌビディア」と連携を深めています。高度な画像処理を行う「GPU(画像処理半導体)」を駆使し、2020年には農業用無人車両の投入を目指しているのです。広大な農地を自律走行する技術は、人手不足に悩む農業界の救世主となるでしょう。バイクで培った制御技術が、ドローンやロボットへと形を変えて社会を支えようとしています。
自動運転の基盤を固めるため、2019年07月には「ティアフォー」へ、5月には「DMP」へと相次いで巨額出資を敢行しました。特に「ティアフォー」は自動運転用の基本ソフト(OS)開発で世界をリードする存在です。OSとは、機械を動かすための「脳」に当たるソフトウェアのこと。ヤマハはこの最強の「脳」を手に入れ、ゴルフカートをベースにした低速自動運転車の実用化に本腰を入れています。
2021年度までに売上高2兆円を目指すヤマハ発動機。日高祥博社長が語る「数年以内に転ばないバイクを商品化したい」という夢のような目標も、今の同社なら現実にしてしまいそうな予感がします。編集部としては、既存の成功体験を捨てて未知の領域へ飛び込む勇気こそが、日本企業が生き残るための正解だと確信しています。伝統と革新が混ざり合う、新生ヤマハの走りに注目です。
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