山形県内で新たな雇用の波が起きようとしています。山形銀行は、鶴岡工業高等専門学校に通う優秀な学生たちを対象とした、有料の人材紹介ビジネスを本格的にスタートさせます。この試みは、地元の企業へ就職を希望する若者を増やすための架け橋として機能する見込みです。実は両者、2018年12月30日までに学生の就活を応援する覚書を取り交わしており、今回はさらに踏み込んだ連携へとステップアップしました。
これまでの一般的な会社説明会だけにとどまらず、個別に踏み込んだマッチングを行う点が、今回の取り組みにおける最大の魅力です。SNS上でも「地方銀行がここまで若者のキャリアにコミットするのは面白い」「高専生の技術力が地元に残る良いきっかけになりそう」といった、前向きな反響や期待の声が数多く寄せられています。
学校推薦の壁を打ち破る!銀行が仲介する新しいマッチングの形
高等専門学校、いわゆる「高専」とは、中学校を卒業した後に5年間の実践的な技術教育を行う専門性の高い高等教育機関のことです。ここで学ぶ学生の多くは、通常、学校に届く求人票の中から推薦をもらって就職先を決定します。しかし、どうしても名前がよく知られている県外の大企業へ人材が流出してしまいがちという課題を抱えていました。
そこで立ち上がったのが山形銀行です。今回は「学生就職支援とキャリア教育の好循環モデル」という新たな項目を覚書に追加しました。銀行が潤滑油となり、個人情報をしっかりと保護した状態で、学校を介して学生の希望を企業へ伝えます。同時に、学生側には地元企業の隠れた魅力を丁寧に伝えることで、双方の理想的な出会いを演出する仕組みです。
同行はこれまでにも、県内企業と高専生の交流イベントを2回にわたって開催してきました。これまでに累計120人の熱意ある学生と、18社の地元企業が参加して大盛況となっています。2019年7月1日からは銀行そのものが有料職業紹介ビジネスに参入していますが、特定の高専生にターゲットを絞った試みは、全国の地方銀行を見渡しても非常に珍しい最先端の挑戦と言えるでしょう。
地域経済を活性化させる地方銀行の新たなビジネスモデルへの期待
この事業は、地域社会の活性化だけでなく、銀行自身の新しい収益源としても大きな期待を集めています。地元企業に対して質の高い情報を提供し、優秀な人材の採用を成功させることで、その対価として手数料を受け取るビジネスモデルです。眠っている地域の優良企業の認知度を上げつつ、銀行の経営体力も強化できるため、まさに一石二鳥の戦略ではないでしょうか。
筆者は、この取り組みが日本の地方が抱える「人口流出」という深刻な問題に対する、非常に現実的で効果的な一石になると考えています。技術力の高い高専生が地元に残ることは、地域産業のイノベーションに直結するはずです。単なる資金調達の場にとどまらず、人をつなぐことで地域に貢献しようとする山形銀行の挑戦は、これからの地方創生における素晴らしいお手本になるに違いありません。
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