女性の社会進出が叫ばれる現代において、大手損害保険グループが画期的な試みをスタートさせました。東京海上ホールディングス株式会社は、女性社員のキャリアアップを強力にバックアップするための社内大学「Tokio Marine Group Women’s Career College」、通称「TWCC」を開設したのです。グループ内で女性の働き方が激変する中、昭和女子大学の協力を得て誕生したこの教育プログラムは、いま多くのビジネスパーソンから熱い視線を浴びています。
インターネット上やSNSでも、この取り組みは「自腹で飛行機に乗ってまで学びに行く熱量が凄い」「これこそ本当のリスキリング」と大きな反響を呼んでいるようです。会社から強制されるお決まりの研修ではなく、未来を切り拓きたい女性たちが自主的に集う場であるからこそ、これほどまでの注目を集めているのでしょう。単なる制度の充実に留まらず、当事者のマインドを根本から変えようとする企業の強い姿勢が伺えます。
定員2倍超の衝撃!自費でも学びたいと願う女性たちの熱気
2019年9月に開校したこのカレッジは、2020年2月までの半年間、月に1回のペースで全6回のプログラムが組まれています。講義が行われるのは土曜日の午後1時から5時という、貴重な週末の時間帯です。あえて平日の就業後を避けたのは、育児中の社員や、地方の支店で勤務する女性たちが参加しやすいように配慮した結果だといいます。
驚くべきは、この講座が業務扱いではない「自己負担」の課外活動である点でしょう。それにもかかわらず、国内グループ19社から定員の2倍を超える180人もの応募が殺到し、厳正な抽選が行われました。最終的に選ばれた72名の中には、新幹線や飛行機代をすべて自前で支払って関東以外の遠方から駆けつける熱心な参加者も15名含まれています。
2019年12月7日に開催された4回目の講義では、デジタル変革をテーマに白熱した議論が展開されました。デジタル変革とは、データや最先端のデジタル技術を駆使して、業務プロセスやビジネスモデルそのものを革新することを指します。講義の後は、所属や年齢がバラバラな5人組のチームに分かれ、職場での人工知能の活用法などについて、ホワイトボードが埋まるほどの熱いディスカッションが繰り広げられました。
一般職から総合職へ、女性営業職が10年で16倍に急増した背景
かつて同社グループでは、男性が総合職として営業を担い、女性は一般職として事務をサポートするという固定化された役割分担が主流でした。しかし、2004年にその職群区分を撤廃したことで流れは大きく変わります。東京海上日動火災保険株式会社では、2008年からの10年間で、女性の営業職が1953人と実に16倍以上にまで急増しました。
職域が広がり働きやすい環境が整う一方で、新たな悩みやキャリアの壁に直面する女性社員も増えています。制度を作るだけで満足せず、彼女たちが「自分は今後どう生きるか」というゴールを明確に描けるような意識改革の場を用意することこそ、これからの企業経営に不可欠な視点だと確信します。多様性を活かす形だけのダイバーシティではなく、一人ひとりの可能性を解き放つ素晴らしいアプローチです。
今回のカリキュラムは、昭和女子大学のキャリアカレッジから専門的な監修を受けており、リーダーシップ論から経営戦略まで多岐にわたる本格的な内容となっています。ここで学んだ志の高い有志たちが、2020年4月以降もそれぞれの職場へと戻り、周囲の仲間を巻き込んでさらなる好循環を生み出していくことでしょう。次世代のリーダー育成に向けた、同社のこれからの展開が非常に楽しみです。
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