最近、ニュースやビジネスの場で頻繁に耳にするようになった言葉があります。それが「持続可能な開発目標」を意味する国際的な目標であるSDGs(エスディージーズ)です。貧困や環境問題など、世界が抱えるさまざまな課題を2030年までに解決しようという壮大な取り組みを指しています。日本でも関心が高まる中、2020年1月7日に埼玉県の企業を対象とした非常に興味深い調査結果が発表されました。
埼玉りそな産業経済振興財団が2019年10月15日頃に県内の企業に対して実施した調査によると、厳しい現状が浮き彫りになっています。約942社にアンケートを送付し、回答を寄せた217社のうち、具体的な対応を始めている、あるいは予定している企業はわずか1割にとどまりました。言葉自体を聞いたことがある企業は約7割に達したものの、その半数近くが詳しい内容までは理解していないという実態が明らかになったのです。
人材不足と認知度の低さが大きな壁に
なぜ、これほどまでに具体的な行動へと移せていないのでしょうか。未対応の企業にその理由を尋ねたところ、半数以上の53%が「対応できる人材が社内にいない」と回答しています。また、45%が「社内での認知度が低い」ことを要因として挙げました。このニュースに対し、SNS上でも「うちの会社でも言葉ばかりが先行している」「専任の担当者を置く余裕がない中小企業にはハードルが高い」といった共感の声が多数見受けられます。
この結果を受けて、私は地方の優良企業が将来の成長機会を逃してしまうのではないかと強い危機感を抱いています。SDGsへの取り組みは、決して単なる社会貢献やボランティア活動ではありません。企業のブランド価値を向上させ、新たなビジネスチャンスを創出するための重要な経営戦略になり得る要素を秘めているでしょう。だからこそ、経営トップが率先して学び、社員全体を巻き込む姿勢が今まさに求められていると感じます。
まずは難しく考えず、自社の既存事業が17の目標のどれに貢献できるのか、身近なところから棚卸しを始めてみてはいかがでしょうか。人材不足を嘆く前に、小さな一歩を踏み出すことが、持続可能な未来の企業経営へと繋がっていくはずです。地域社会とともに発展していくためにも、埼玉県内の企業がこの壁を乗り越え、新しい時代を牽引していく存在となることを心から期待しております。
コメント