北陸の電力市場に今、大きな激震が走っています。北陸電力は2018年4月に実施した電気料金の値上げ以降、いわゆる「新電力」と呼ばれる新規参入の会社との間で、非常に激しい顧客の争奪戦を繰り広げてきました。新電力とは、2016年の電力小売全面自由化によって、従来の地域独占ではなく自由に変えられるようになった新しい電力会社のことを指します。さらに家庭向けの市場を巡っては、業界の巨人である東京電力ホールディングス傘下の東京電力エナジーパートナーが、満を持して北陸エリアへ新たに参入してくることが決定しました。
このかつてない競争の激化に対して、北陸電力はただ手をこまねいているわけではありません。彼らは独自の魅力的な新料金プランを設定することで、この強力なライバルを迎え撃つ構えを見せています。SNS上でも「北陸電力がどんな対抗策を打ち出すのか楽しみ」「東電の参入で電気代が安くなるなら大歓迎」といった、市場の活性化や料金引き下げへの期待感がこもった声が多数寄せられており、地域の消費者からも非常に高い注目を集めている状況です。
今回の新プラン策定にあたり、北陸電力はすでに他社へと契約を切り替えてしまった顧客のリアルな利用状況を徹底的に分析しました。金井豊社長は「どのような使い方をしているお客様の離脱が多いのか、その傾向は完全に把握している」と自信をのぞかせます。このデータを基に、これ以上の顧客離れを防ぐピンポイントな料金体系を構築する方針です。さらに、毎月の電気料金に応じて貯まるポイントサービスについて、提携企業をさらに拡大することで利便性を高め、顧客のつなぎ留めを強化していく狙いです。
また、電力事業は供給の仕組み自体も大きな転換期を迎えています。2020年4月に控える送配電事業の分社化に向けて、金井社長は老朽化が進む送配電網の維持管理が急務であるとの認識を示しました。送配電事業の分社化とは、電力を発電する部門と、電線を介して家庭に届ける部門を別の会社に分けることで、どの発電事業者も公平に電線を使えるようにする制度のことです。北陸電力はこのインフラを維持するため、修繕工法の工夫や最先端のデジタル技術の採用が極めて重要であると考えています。
具体的なDX(デジタルトランスフォーメーション)施策として、人工知能であるAIを活用し、ドローンで撮影した送配電設備の点検を自動化する仕組み作りを急ピッチで進めています。これまでは人の目に頼っていた危険な点検作業を最先端技術に置き換えることで、業務の効率化と安全性の向上が同時に期待できるでしょう。電力の安定供給という社会的使命を果たしつつ、最先端のインフラ企業へと生まれ変わろうとする北陸電力の挑戦は、地域経済の未来を明るく照らす大きな一歩になると確信しています。
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