日本郵政グループが2020年1月、大きな変革の刻を迎えています。かねてより注目を集めていた人事刷新が、2020年1月5日から2020年1月11日にかけて段階的に実施されることが明らかになりました。今回の人事における最大の焦点は、トップの交代劇と言えるでしょう。これまでのグループを牽引してきた長門正貢氏が社長の座を退き、新たなリーダーとして元総務大臣である増田寛也氏が迎えられることになりました。
このトップ交代の背景には、昨今世間を騒がせたかんぽ生命保険の不適切な販売問題があります。信頼回復が急務となる中で、経営責任を明確にするためにこれまでの首脳陣が退陣を余儀なくされた形です。ネット上やSNSでは「この交代を機に、組織の体質が根本から変わることを期待したい」といった声が上がる一方で、「形だけの刷新に終わらせず、現場の働く環境や顧客第一の姿勢を徹底してほしい」という厳しい意見も散見されます。
新社長に就任した増田寛也氏は、2020年1月6日付でその重責を担うことになりました。民間企業での経験のみならず、官僚や政治家、そして知事としての実績も豊富な人物です。まさに組織の立て直しを託された「再生の請負人」としての期待がかかっているのではないでしょうか。さらに同日には、総務や人事部門を担当する常務執行役として志摩俊臣氏が昇格したほか、林俊行氏も常務執行役に就任し、脇を固める布陣が敷かれました。
今回の人事は、組織のガバナンスを抜本的に見直す強い意志の表れだと私は考えます。ガバナンスとは、企業が不正を行わずに健全な経営を行うための「企業統治」という仕組みのことです。どれほど素晴らしいトップが就任しても、この統治機能が働かなければ信頼は戻りません。新体制には、不祥事の原因を徹底的に究明し、二度とこのような事態を起こさない強固な組織づくりにコミットすることが求められているはずです。
激動の一週間を経て、2020年1月11日には長門氏や鈴木康雄氏のほか、横山邦男氏、植平光彦氏といったこれまでの取締役陣が正式に退任することとなっています。過去のしがらみを断ち切り、まっさらな状態でスタートを切るための準備がこれで整うことになるでしょう。日本郵政が再び国民に愛されるインフラへと生まれ変われるのか、増田新社長が舵を取る新時代の幕開けから、今後も目が離せそうにありません。
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