アメリカの株式市場において、巨大IT企業の快進撃が止まりません。検索大手のグーグルを傘下に持つアルファベットの時価総額が、まもなく1兆ドル(約110兆円)の大台を突破する見込みです。これが達成されれば、アップルなどに続く4社目の快挙となります。SNS上でも「もはや国家レベルの規模感」「強すぎて誰も追いつけない」といった驚きの声が続出しており、創業から20年を超えた「老舗」の圧倒的な底力に世界中の注目が集まっています。
2020年1月に入り、アルファベットの株価はさらに勢いを増しています。2020年1月13日にも過去最高値を更新し、今月の上昇率は前月末比で7%に達しました。時価総額は9800億ドル台に到達しており、「1兆ドルクラブ」への仲間入りはまさに秒読みの段階です。現在、アメリカ企業で首位を走るアップルの時価総額は1兆3000億ドルを超えており、市場のマネーがこれら巨大IT企業へ集中する構造が浮き彫りになっています。
ここで注目したいのが、主要なIT企業の総称である「GAFA」の動向です。個人データの流出問題に揺れたフェイスブックはやや出遅れ、時価総額は6300億ドル台にとどまるものの、株価自体は最高値を更新しました。ユーザーの信頼回復が進んでいる証拠と言えるでしょう。このように、一度は逆風が吹いた企業ですら息を吹き返す一方で、次世代を担うはずの新興IT企業が伸び悩んでいる点に、現在の市場の歪みや特異性が隠されていると感じます。
新興企業の芽を摘む?驚異の買収戦略と今後の展望
巨大IT企業の独走が続く背景には、競合となるライバルが見当たらないという現実があります。例えば、音楽配信のスポティファイは過去の最高値から2割も低い水準に沈んでおり、鳴り物入りで上場した配車大手のウーバーも株価が苦戦しています。これには、潤沢な資金を持つ王者が有望な新興企業を次々と買収し、競争の芽を事前に摘んでいる側面も否定できません。アルファベットもウェアラブル端末の企業を買収するなど、攻めの姿勢を崩していません。
このデータや市場の独占状態に対して、世界各国の当局は監視の目を厳しくしています。アメリカでは連邦政府や州レベルでの調査が本格化しており、規制強化の波が押し寄せているのは事実です。しかし、株式市場の専門家たちは冷徹な視線を崩していません。「規制が強まったとしても、彼らの収益力が簡単に落ちることはない」という強気な見方が大勢を占めています。自動運転などの未来技術でも先行する彼らの優位性は、当面揺るがないはずです。
筆者の視点として、この「1強多弱」の構図はイノベーションの停滞を招く危険性を孕んでいると考えます。富とデータが集中しすぎれば、画期的なベンチャー企業が誕生してもすぐに大手に飲み込まれてしまうからです。とはいえ、投資家からすればこれほど安心感のある投資先がないのも事実でしょう。国家の規制と市場の期待が火花を散らす中、この巨大なデジタル帝国がどこまで膨れ上がるのか、今後もその一挙手一投足から目が離せません。
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