ボルボが大躍進!中国・吉利グループが世界販売プラスを達成した戦略と今後の展望

中国の民営自動車セクターでトップを走る浙江吉利控股集団が、2019年の世界新車販売実績を発表しました。その総数は217万8000台に達し、前年比で1.2%の微増を記録しています。地元中国の景気減速の煽りを受け、中核である吉利汽車の販売が落ち込むという苦境に立たされました。しかし、その不振を救ったのが北欧の名門高級車ブランドであるボルボ・カーです。世界展開を進めてきた同グループのグローバル戦略が見事に実を結んだ形と言えるでしょう。

ボルボの年間販売台数は70万5400台という驚異的な数字を叩き出し、過去最高を6年連続で塗り替えています。特に人気を集めたのが、都市型SUVの「XC40」やクロスオーバーの「XC60」でした。クロスオーバーとは、乗用車の快適性とSUVの悪路走破性を融合させた利便性の高い自動車のスタイルを指します。2010年に吉利の傘下に入って以来、販売規模を約2倍にまで拡大させたボルボのブランド力には、目を見張るものがあります。

この勢いはSNS上でも大きな話題を集めており、買収当時の不安を覆す結果に驚く声が相次いでいます。ネット上では「中国資本になってからボルボのデザインが洗練された」「技術投資が成功している証拠だ」といったポジティブな意見が目立ちます。かつては先行きを懸念する報道もありましたが、今や自動車業界における最も成功した買収劇の一つとして称賛されているようです。親会社の資金力とブランドの伝統が完璧に調和した結果と言えます。

一方、グループの基盤を支える吉利汽車も、ただ手をこまねいているわけではありません。若者をターゲットに据えた新ブランド「リンク・アンド・コー」が12万8600台を売り上げ、前年比で6.4%の成長を見せました。これはスマートフォンのように手軽に乗れるカーシェアリング市場を意識して開発された、最先端の車作りの成果です。主力ブランドが苦戦する中でも、時代のニーズを捉えた新しい試みが確実に芽吹いているのは心強い材料でしょう。

また、マレーシアの国民的メーカーであるプロトンも、前年比55.7%増の10万800台と驚異的な爆発力を見せています。吉利汽車が培った車両基盤を応用したSUVが現地で大ヒットを記録しており、アジア市場での存在感を急速に高めました。イギリスの高級スポーツカーとして名高いロータスも、台数こそ非公表ながら売上高を12%増加させています。このように、世界各地に分散させたブランドがそれぞれの強みを発揮している点が、現在の吉利の強みです。

編集部の視点としては、吉利グループの「ブランドの個性を消さない融和政策」こそが、この激動の時代を生き抜く最適解であると考えます。各ブランドの固有の価値を守りつつ、技術やプラットフォームを共有して効率化を図る手法は実に見事です。中国国内の自動車市場が今後も停滞を続けると予想される中で、この多様なポートフォリオは強力な武器になります。ボルボやリンク・アンド・コーを筆頭とした海外事業の攻勢が、今後の成長のカギを握るはずです。

2020年のグループ全体の具体的な目標値は明かされていませんが、吉利汽車は前年比4%増となる141万台の販売を目標に掲げています。中国市場の完全な回復が見込めない以上、グローバル展開のさらなる加速が至上命題となるでしょう。ボルボが築いた欧米での強固な地盤と、プロトンが持つ東南アジアでの可能性をどう掛け合わせていくのか注目が集まります。世界を揺るがす自動車巨人への階段を、彼らは確実に上り続けているのです。

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