大地震をはじめとする予期せぬ大災害が発生した際、私たちの命綱となるのがスマートフォンやタブレット端末といった情報インフラです。東京都は2020年度から、地域のつながりを活かした新しい防災対策として、非常用電源を配備する自治会などの自主防災組織を財政的にバックアップする方針を固めました。
災害時には、停電によって外部との連絡や情報収集が途絶えてしまうリスクが常に付きまといます。今回の取り組みは、住民が地域の拠点に集まって安全に電子機器を充電できる環境を整えることが目的です。都内には約7000もの自主防災組織があるとされており、大災害における「共助」、つまり地域住民が互いに助け合う力を底上げする画期的な試みと言えるでしょう。
この施策のために、小池百合子知事による2020年度の予算案査定では、実に6億円もの経費が計上されました。具体的な支援としては、区市町村の窓口を通じて、1組織あたり120万円を基準とした補助金が交付される仕組みです。これだけの予算が動く背景には、近年の災害における「情報断絶」への危機感が強く反映されています。
インターネット上やSNSでも、この発表は大きな反響を呼びました。「避難所でスマホが使えるのは本当にありがたい」「地域のつながりが見直される良いきっかけになる」といった賛同の声が目立ちます。一方で、「機材のメンテナンスや管理は誰がやるのか」といった、運用の具体策を懸念する現実的な意見も散見されました。
ここで注目したい「自主防災組織」とは、自治会や町内会をベースに、住民自らが「自分たちの街は自分たちで守る」という目的で結成する組織のことです。平時の防災訓練から災害時の初期消火や救助活動までを担う、地域密着型の防衛要とも言える存在ですが、予算不足に悩む組織も少なくありませんでした。
私は、今回の東京都の決断を非常に意義深いものだと評価しています。公的な救助である「公助」には限界があり、震災直後の混乱を生き抜くためには、地域コミュニティによる「共助」の活性化が欠かせないからです。120万円という基準額があれば、高性能な発電機や大容量の蓄電池を導入することも十分に可能でしょう。
2020年1月15日に明らかになったこの新しい補助金制度が、東京全体の防災力を劇的に高める起爆剤になることを期待して止みません。単に機械を設置するだけでなく、これを機に住民同士が顔の見える関係を築くことが、本当の意味での災害に強い街づくりへとつながるはずです。
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