栃木県宇都宮市で、いま新しいスポーツの歴史が幕を開けようとしています。県が約650億円という巨額の予算を投じて整備を進める「総合スポーツゾーン」は、多彩な競技施設が一堂に会する一大拠点です。その中でも主役となる新スタジアムは、なんと2万5000席もの観客席を誇る大規模なもの。陸上競技の国際大会はもちろん、サッカー日本代表の試合も開催できる世界基準のクオリティを満たしており、地域の熱気は最高潮に達しています。
閑静な住宅街を進むと、突如として近未来的な建造物が姿を現します。白い膜屋根に覆われた4階建ての新スタジアムは、まるで宇宙船が舞い降りたかのような圧倒的な存在感です。2017年の着工から3年の月日を経て、いよいよ2020年4月のこけら落とし(新設された劇場の初公演や施設の初利用のこと)に向けた最終仕上げの段階に入りました。この壮麗な姿を見るだけで、これから始まる興奮のドラマへの期待に胸が膨らむでしょう。
新スタジアムの機能性はまさに折り紙付きです。陸上競技場はアジア大会の開催基準を満たしており、地元の競技団体からも「国際大会が呼べる」と歓喜の声が上がっています。さらに、天然芝のサッカー場はJリーグ1部(J1)の厳しい施設基準をクリア。これにより、2020年6月には栃木県初となるサッカー日本代表「なでしこジャパン」の国際試合が予定されるなど、国内トップクラスのスポーツを肌で感じる機会が現実のものとなるのです。
SNS上でもこの動きは大きな注目を集めています。「地元の宇都宮に日本代表が来るなんて夢のよう」「あの宇宙船みたいなスタジアムで早く観戦してみたい」といったワクワクした投稿が相次いでいる状況です。最先端のアスリート育成拠点として「医科学センター(スポーツ科学や医学を駆使して選手のパフォーマンス向上を支える施設)」も併設されるため、未来のオリンピック選手がここから誕生するのではないかとSNSでも大きな話題を呼んでいます。
この壮大なプロジェクトは、1980年の栃木国体に合わせて作られた県総合運動公園をベースに、競馬場や免許センターの跡地を大胆に融合させたものです。総面積は73ヘクタールに及び、5000人規模の体育館や屋内水泳場の新設、既存施設の改修も同時に進められています。すべての施設が出揃うのは2022年の国体前を予定。スポーツを「する人」も「観る人」も、あらゆる世代が一体となって楽しめる素晴らしい空間が約束されています。
しかし、これほどの大規模施設だからこそ、地域との共生という課題にも向き合わねばなりません。特に1万人規模が集まるイベント時の渋滞や騒音対策は急務です。県は駐車スペースを従来の約3倍となる2900台へ拡充しました。さらに大規模な試合の際は駐車場の利用を制限し、最寄り駅と会場を結ぶシャトルバスによるピストン輸送を主催者に義務付けるなど、周辺住民の静かな生活環境を守るための緻密な配慮がしっかりと組み込まれています。
もう一つの現実的な壁が、年間約8億円と試算される巨額の維持管理費です。体育館などには民間資金を導入するPFI方式を採用してコストを削減していますが、天候に左右される屋外の新スタジアムは民間の参入が難しく、県の指定管理者制度で運営されます。2022年度までは県が全額を補助するものの、持続可能な運営のためには、魅力的なイベントを次々と誘致して稼働率を上げる泥臭い営業努力が、今後どうしても不可欠になるでしょう。
私は、この総投資額に見合うだけの価値がこの施設には十分にあると確信しています。単なるハコモノ行政で終わらせないためには、スポーツの感動を地域経済の活性化や観光誘致にどう結びつけるかという、ソフト面の戦略が鍵を握るはずです。栃木が誇る餃子文化や観光資源と連動させ、世界中から訪れる人々を温かく迎えるスタジアムグルメやイベントを仕掛けてほしいところです。日本中、そして世界中から人が集まる熱い聖地へ育つことを期待します。
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