新鮮な野菜や美味しいグルメの宝庫として知られる茨城県が、日本の農業界で圧倒的な存在感を放っています。農林水産省が2020年01月15日に発表した「2018年生産農業所得統計」によると、同年の茨城県における農業産出額は4508億円を記録し、都道府県別で堂々の全国第3位に輝きました。
前年の2017年に引き続きトップ3の座を死守したことは、まさに「食材王国」の実力を証明した形といえるでしょう。SNS上でも「茨城の野菜はいつも新鮮で安いから納得」「地元の農家さんたちの努力が数字に表れていて嬉しい」といった、好意的なコメントや祝福の声が多数寄せられています。
しかし、今回の統計では手放しには喜べないシビアな現実も浮き彫りになりました。全体の順位こそ維持したものの、産出額の合計は前年に比べて459億円も減少しているのです。この背景には、茨城県の主力商品である野菜や鶏卵の販売単価が、市場で値下がりしてしまったことが大きく影響しています。
ここでいう「農業産出額」とは、国内で生産された農産物の総量に、それぞれの市場価格を掛け合わせて算出した、いわば農業の総売上高を意味する専門用語です。つまり、農家の方々がどれだけ熱意を込めて大量の作物を育てても、市場での取引価格が下落してしまうと、全体の数字は大きく目減りしてしまいます。
私個人の意見として、今回の減収は単なる一時的な価格変動として片付けるべきではないと感じています。日本の食卓を支える農家の皆さんが、気候変動や価格暴落のリスクにさらされながらも、高品質な食材を安定供給してくれていることへの感謝を、私たちはもっと持つべきではないでしょうか。
ブランド力や付加価値を高め、買い叩かれない仕組み作りが今後の大きな鍵になるでしょう。なお、近隣の北関東勢に目を向けると、栃木県は2871億円で2017年と同じく9位にランクインしています。一方の群馬県は2454億円となり、2017年の11位から14位へと順位を下げる結果となりました。
北関東3県がそれぞれに特色ある農業を展開する中で、茨城県が今後どのように巻き返しを図るのか、期待が集まります。天候に左右されやすい産業だからこそ、消費者が地元産の食材を積極的に選んで購入する「地産地消」の輪を広げていくことが、持続可能な農業を応援する一番の近道になるはずです。
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