メールアドレスと電話番号を入力するだけで、手軽にショッピングを楽しめる便利な後払い決済サービス。その代表格である「Paidy(ペイディー)」が、思わぬ犯罪の温床として揺れています。運営会社である株式会社Paidyには、2020年1月15日までに140件を超える不正利用の相談が殺到しました。利便性を最優先にするあまり、厳格な本人確認を後回しにしていたセキュリティの隙を突かれた形です。現在は対策のため一部サービスを停止していますが、再開の見通しは立っていません。
ネット上やSNSでは、このニュースに対して驚きと不安の声が広がっています。「身に覚えのない請求書が届いたらパニックになる」「便利さと安全性のバランスは本当に難しい」といった意見が続出しました。また、フリマアプリを日常的に利用するユーザーからは「誰もが被害者になり得る巧妙な手口で怖い」と恐怖を訴える投稿も相次いでいます。キャッシュレス決済が急速に普及する中で、システムの安全性を疑問視するユーザーの厳しい視線が注がれている状況です。
巧妙な空売りと二重決済の罠
今回の不正利用は、フリマアプリ「メルカリ」での架空出品とペイディーのシステムを組み合わせた非常に悪質なものです。犯人は手元にない家電製品などを出品し、購入者が現れると、大手家電量販店のECサイト(電子商取引を行うネット通販サイト)へ移動します。そこで購入者の住所宛てに、ペイディーの後払いを使って注文を確定させるのです。商品と請求書が届いた購入者は、すでにフリマアプリ内で代金を支払っているため、そのまま請求書を処理すると二重にお金をだまし取られる危険が生じます。
幸いなことに、現時点で実際に二重払いをしてしまった被害は確認されていません。しかし、この手口は「BNPL(Buy Now, Pay Later=今買って後で支払う)」と呼ばれる最先端の決済トレンドが抱える脆弱性を浮き彫りにしました。高度な本人確認(eKYC)を省略し、誰でも1分で使える手軽さを売りにした結果、悪意ある第三者に偽名や使い捨ての連絡先でアカウントを量産するチャンスを与えてしまったといえるでしょう。
今回の問題の本質は、サービスの利便性と安全性のトレードオフにあります。事業者側はユーザーの手間を減らして利用率を上げたいと考えますが、顔写真付きの公的証明書による認証などを怠れば、今回のような犯罪被害は防げません。私たち消費者は、フリマアプリで相場より安すぎる商品を見かけた際は購入を控えるなど、自衛の意識を持つことが求められます。同時に、決済事業者には、迅速かつ強固なセキュリティ体制の再構築を強く望みます。
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