ゴルフを愛する皆さまにとって、プレイスタイルやステータスに関わる「ゴルフ会員権」の動向は常に気になるトピックではないでしょうか。関東ゴルフ会員権取引業協同組合がまとめたデータによると、2019年12月における関東圏の主要150コースの平均売買価格は170万7000円を記録しました。これは前年の同じ時期と比較して7.5%のプライスダウンとなり、なんと6カ月連続で前年割れが続いている状況なのです。
この値下がりの背景には、消費税率の引き上げに伴って人々の間で節約志向が一段と高まったことや、各ゴルフ場が相次いで年会費を値上げしたことが挙げられます。特に資産の効率化を求める企業、いわゆる法人顧客を中心に、不要になった会員権を積極的に手放す「処分売り」の動きが目立ってきました。SNS上でも「企業のゴルフ接待自体が減っている時代だし、年会費が上がるなら手放すのも納得」という現実的な声が数多く上がっています。
取引大手の桜ゴルフによれば、2019年12月の法人による売り注文数は前年同月比で2倍以上に膨れ上がりました。これには、2019年秋に相次いだ台風被害が大きく影響しています。コースの修復費用などを賄うために年会費の改定に踏み切るゴルフ場が続出したため、複数の会員権を所有していた企業が維持費の負担を嫌い、一斉に売却へ動いたと考えられます。災害という不可抗力が、企業の資産見直しを加速させた形と言えるでしょう。
さらに、冷え込んでいるのは売り手側だけではありません。2019年12月における法人の買い注文数は2割以上も減少しており、市場の冷え込みに拍車をかけています。同社の佐川八重子社長は、米国と中国の間に漂う貿易摩擦などを背景に、将来の景気に対する不透明感が強まったことが企業の買い控えを招いていると分析されていました。ビジネスシーンにおける不況の足音が、こうした嗜好品の取引データにも色濃く反映されている印象を受けます。
しかし、この冷え切った相場を絶好のチャンスと捉えている層も存在します。驚くべきことに、個人ゴルファーによる2019年12月の買い注文数は、前年同月を1割ほど上回る盛り上がりを見せているのです。購入の的となっているのは150万円前後のいわゆる「中堅コース」と呼ばれる価格帯で、高嶺の花だった憧れのコースに手が届く絶好のタイミングが訪れていると言えます。
佐川社長も「これ以上の価格下落はないと見定めた個人による、底値買いの動きが出始めている」と推測されています。「底値買い」とは、相場が最も下がりきったタイミングを狙って安値で購入する投資手法に近い買い方のことです。私個人の見解としても、法人が手放した優良な会員権が市場に流通し、本当にゴルフを愛する個人プレイヤーの手に渡ることは、スポーツとしてのゴルフ業界の活性化につながる素晴らしい好機ではないかと感じています。
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