世界の砂糖市場に今、大きな地殻変動が起きています。これまで先進国を中心とした「砂糖離れ」の影響により、市場では供給過剰な状態が長らく続いていました。しかし、2019年から2020年度にかけてのシーズンは、なんと3年ぶりに砂糖が足りなくなる「供給不足」へと転じる見通しです。このドラスティックな変化を受けて、国際的な砂糖の取引価格も約2年ぶりの高値を記録しており、市場関係者の間でも大きな話題を呼んでいます。
この劇的な変化を力強く牽引しているのが、目覚ましい経済発展を遂げているアジアやアフリカ地域です。特にアジア圏における砂糖の消費予測は8825万トンに達し、前年度と比べて1%の増加が見込まれています。とりわけインドやインドネシアといった国々では、人々の所得水準が向上したことで個人の購買意欲が非常に旺盛になっており、お菓子や飲料などの嗜好品に対する需要がダイレクトに底上げされている状況なのです。
さらに、人口爆発の真っ只中にあるアフリカ大陸の勢いも無視できません。アフリカ地域での消費量は2337万トンと、前年比で2.5%もの大幅な増加が予測されています。このように、新興国における「豊かさの証明」とも言える甘味へのニーズが、市場全体のゲームチェンジャーとなっているのは確実でしょう。SNS上でも「新興国の豊かな暮らしへのステップだ」「人口が増えれば甘いものの需要が増えるのは必然」といった納得の声が多数上がっています。
その一方で、日本を含む先進国の状況は実に対照的だと言わざるを得ません。ヨーロッパ(ロシアを含む)の消費量は3274万トンと0.8%減少する見込みであり、我が国にいたっては1.5%減とさらに落ち込む見通しです。この背景にあるのが、近年のトレンドである「健康志向」や、過剰な糖質摂取を控えるライフスタイルの定着です。ネット上では「自分も糖質制限中だから納得」「日本のお菓子は甘さ控えめが主流になった」と、身近な変化を実感する声が目立ちます。
ここで注目すべきは、「供給不足(需要が供給を上回り、モノが不足する状態)」がもたらす経済への影響です。生活に身近な調味料である砂糖の値動きは、私たちが普段口にする食品の価格にも直結しかねません。甘いものを楽しむ文化が世界へ広がるのは喜ばしい反面、先進国のトレンドとの二極化が進む現状には複雑な思いも抱きます。新興国のエネルギーと先進国のヘルシー志向、この相反する波が今後どのような市場の未来を形作るのか、注視していきたいところです。
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