海の地政学と海洋法の歴史から読み解く!中国の海洋進出に日本はどう立ち向かうべきか?

地理的な条件が国家の政治や外交、軍事に与える影響を研究する「地政学」という言葉を耳にする機会が増えています。2020年01月18日に紹介された竹田いさみ氏の著書は、単なる軍事力によるパワーゲームの解説書ではありません。大航海時代から現代に至るまで、人類がどのようにして海のルールを構築してきたのかを紐解く、極めてエキサイティングな歴史書なのです。

本書は国際法の基礎を築いたオランダの天才法学者、フーゴ・グロティウスらの偉大な足跡を丁寧に追いかけています。SNS上でも「難解そうな海洋法がすんなり頭に入ってくる」「歴史の裏側が見えて面白い」と、知的好奇心を刺激された読者からの熱い声が続々と寄せられました。

私たちが日常で何気なく使っている「領海」や「排他的経済水域(EEZ)」といった専門用語のルーツをご存じでしょうか。領海とは国家の主権が及ぶ海の範囲であり、EEZは沿岸国が魚などの水産資源や海底鉱物資源を独占的に管理できる権利を持つエリアのことです。密輸の取り締まりといった歴史的背景から、なぜ現在の距離に定まったのかという謎が、次々と明かされていく爽快感を味わえるでしょう。

これまで世界の海における「航行の自由」、つまりどの国の船も妨害されずに公海を通行できる権利を守ってきたのは米国でした。しかし、その米国の影響力に陰りが見える今、新たな海の覇権を狙う中国の存在がクローズアップされています。ここで特筆すべきなのは、彼らが軍事力だけでなく、巧妙な「法律の書き換え」という手段を用いている点です。

中国は南シナ海での実効支配を強行する一方で、他国の船が安全に通り抜ける「無害通航権」を制限する独自の国内法を制定しました。既存の国際ルールを自国に都合よく塗り替えようとするこの動きに、著者は強い危機感を募らせています。個人的にも、この「法による現状変更」こそが現代の地政学における最大の脅威であると感じてやみません。

四方を広大な海に囲まれた日本にとって、この問題は決して他人事ではありません。平和と安全を維持するために、わが国が国際社会でどのようなリーダーシップを発揮していくべきなのか。本書は、私たちが未来の海洋戦略を思考するための極めて重要な指針を与えてくれるに違いないでしょう。

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