音楽で生きていくには?青柳いづみこの新刊から学ぶ若手音楽家のキャリア論と人生のヒント

音楽の世界でプロとして自立し、生計を立てていくことは決して容易ではありません。そんな厳しい芸術の世界で、独自の道を切り開く若き才能たちにスポットを当てた書籍が大きな注目を集めています。ピアニストであり、優れた文筆家としても名高い青柳いづみこ氏が上梓したインタビュー集『音楽で生きていく!』は、まさに次世代を担う音楽家たちのリアルな声が凝縮された一冊です。

本書は、著者が20代から30代という多感でエネルギッシュな若手音楽家10人に徹底取材を敢行したものです。彼らがどのような教育環境で育ち、いかなる経験を経て現在に至ったのかが克明に描かれています。SNS上でも「音楽家だけでなく、すべての表現者に突き刺さる内容だ」「キャリアに迷ったときに読むと勇気をもらえる」といった熱い反響が続々と寄せられており、世代を問わず多くの読者の心を揺さぶっているようです。

特に印象的なのは、現代の主流であるモダン楽器による教育に疑問を抱き、ヨーロッパで古楽器の巨匠となったバイオリン奏者の佐藤俊介氏の存在でしょう。ここで言う古楽器とは、バロック時代などその曲が作曲された当時の構造や仕様を残した楽器のことで、現代の楽器とは異なる素朴で繊細な音色が特徴です。確固たる理念を持ち、伝統に縛られずに自らの音楽性を追求する彼の姿勢には、深い感銘を受けずにはいられません。

さらに、特定の事務所や教育機関の枠にとどまらず、自ら演奏会や若手向けの合宿をプロデュースするフルート奏者の上野星矢氏の活動も鮮烈です。組織に依存することなく、主体的にビジネスや教育の場を創出していく彼らの生き方は、まさに「気骨ある音楽家」と呼ぶにふさわしいものでしょう。こうした個人のセルフブランディング能力は、変化の激しい現代社会を生き抜くために不可欠な要素と言えます。

私はこの本を、単なる音楽家の成功譚としてではなく、激動の時代を生きるすべてのビジネスパーソンに向けた一級の「キャリア論」として推薦します。用意されたレールを疑い、自分だけの価値を創造していく彼らの軌跡は、あらゆる職種においてイノベーションを起こすヒントに満ちているからです。2020年1月18日現在、アルテスパブリッシングより2000円で好評発売中の本作を、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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