2019年11月20日現在、日本の食卓を支える豊かな海がかつてない危機に直面しています。特に「イカの聖地」として名高い日本海の中央部に位置する浅瀬、大和堆(やまとたい)周辺では、外国漁船による不法な操業が常態化しており、現場の漁師たちは悲痛な声を上げています。
先日、2019年10月には北朝鮮の漁船と水産庁の取締船が衝突し、北朝鮮側が沈没するという衝撃的な事件が発生しました。SNS上でも「日本の海が他国に荒らされている」「毅然とした対応をすべきだ」といった怒りや不安の声が数多く寄せられており、海洋主権を守るための議論が急速に高まっています。
巨大な中国漁船による「根こそぎ」の脅威
石川県漁業協同組合・小木支所の報告によれば、今年2019年のスルメイカ漁は過去に例を見ないほどの不漁に見舞われています。1隻あたりの漁獲量は昨年の4割程度にまで落ち込み、10年前と比較するとわずか5分の1という惨状です。この背景には、北朝鮮船以上に厄介な存在である「中国系大型漁船」の台頭があります。
日本の漁船が資源保護のために200トン未満というサイズ制限を守っている一方で、大和堆に現れる中国船は500トンから1000トン級の巨大なものです。彼らは「トロール網」と呼ばれる、2隻の船で巨大な網を引きずり、海の底にあるものすべてを絡め取る漁法を多用しており、まさに資源を根こそぎ奪い去っています。
本来、大和堆は日本の主権が及ぶ「排他的経済水域(EEZ)」の中にあります。EEZとは、沿岸国がその海域の資源を独占的に管理できる権利を持つエリアのことですが、現状では外国船がそのルールを無視して侵入を繰り返しているのです。水産庁の警告件数は、2012年からの6年間で12倍にまで膨れ上がっています。
巧妙化する密漁の手口と国際的な包囲網
脅威は日本海だけにとどまりません。三陸沖では中国や台湾の漁船がサンマを大量に捕獲しており、2018年の北太平洋におけるサンマ漁獲量のうち、日本が占める割合はわずか3割にまで減少しました。また、小笠原諸島周辺では宝石のような価値を持つアカサンゴを狙った密漁も後を絶たず、海上保安庁による拿捕(だほ)が続いています。
こうしたルールを守らない「IUU漁業(違法・無報告・無規制漁業)」は、今や世界的な社会問題となっています。近年では、レーダーの位置を高くして日本の取り締まり船をいち早く察知するなど、密漁の手口も非常に巧妙化しています。ロシアが自国近海での取り締まりを強化した結果、行き場を失った外国船が、対策の甘い日本海域へとなだれ込んでいるという見方もあります。
編集者としての私見ですが、この問題は単なる漁獲量の減少ではなく、日本の「海の領土」が実効支配されつつある重大な安全保障上のリスクだと感じます。環境変化による不漁は避けられませんが、人為的な乱獲は見過ごせません。日本の海を守るためには、法整備の強化と、現場で命を懸ける海上保安庁や水産庁へのさらなる支援が急務でしょう。
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