私たちが日常的に利用するバス停が、実は思わぬリスクを秘めているかもしれません。国土交通省は2019年11月20日、横断歩道のすぐそばに位置し、交通事故を誘発する恐れがある「危険なバス停」について、全国規模の実態調査に乗り出す方針を固めました。これまで見過ごされがちだった停留所の配置にメスを入れ、所在地の詳細や危険度を明確にする狙いがあります。
SNS上では「確かに、バスが止まると横断歩道が見えなくて怖い思いをしたことがある」「早く改善してほしい」といった切実な声が次々と上がっています。今回の調査対象となるのは、信号機のない横断歩道付近に設置されたバス停です。具体的には、バスが停車した際に車体の一部が横断歩道に重なってしまうケースを重点的にチェックし、歩行者の安全確保を最優先に検討するとしています。
なぜ、横断歩道に重なるバス停が危険視されているのでしょうか。その大きな要因は、ドライバーの「死角」にあります。バスから降りた乗客が車両の直前を横断しようとする際、対向車からはバスの大きな車体に遮られて歩行者の姿が全く見えません。この物理的に視界が遮られる現象が、重大な事故を引き起こす引き金となってしまうのです。
国土交通省は今後、全国に約2300存在する路線バス事業者に対し、運輸支局などを通じて詳細な報告を求める予定です。ただし、決まった停留所を持たずに運行する「デマンド型バス(利用者の予約に応じて走行ルートを決める輸送形態)」などは、今回の調査対象からは除外されます。自治体や警察とも密接に連携しながら、実効性の高いデータ収集が進められる見通しでしょう。
リスクの「見える化」で促す安全な街づくり
収集されたデータに基づき、各バス停の危険度は数段階にランク付けされる方針です。判定にあたっては、単なる場所の特定だけでなく、周辺の交通量や歩行者の数、過去の事故発生件数といった多角的な指標が用いられます。これにより、優先的に対策を講じるべき場所が浮き彫りになり、事故リスクが高いと判断された停留所については名称や所在地が一般に公表される見込みです。
公表後の具体的なアクションとして、国土交通省はバス事業者などに対して停留所の移設や改修を強力に働きかけていく考えです。安全は一朝一夕には構築できませんが、公的な調査によって「どこが危ないのか」が可視化される意義は極めて大きいと言えます。地域の足であるバスが、より安心して利用できる存在へと進化するための大きな一歩となるでしょう。
個人的な見解としては、利便性と安全性は時にトレードオフの関係になりがちですが、命に関わる交通安全においては安全性が最優先されるべきだと考えます。移設によって少し歩く距離が増えたとしても、それが悲劇を防ぐことにつながるならば、地域住民としても前向きに受け入れるべき変化ではないでしょうか。官民が一体となった迅速な改善に期待が高まります。
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