東京証券取引所は2020年1月9日、東芝プラントシステム株式会社の株式について、制度信用銘柄および貸借銘柄としての指定を取り消すことを発表しました。同時に日本証券金融も、同日付で貸借銘柄と貸借担保金代用有価証券適格銘柄の選定を解除しています。これは親会社による完全子会社化に向けた手続きが進んでいるためであり、市場からは実質的な上場廃止へのカウントダウンが始まったと受け止められているようです。
今回の措置により、投資家は同社株を新規に信用取引で買い建てたり、売り建てたりすることができなくなりました。ここで言う「制度信用銘柄」とは、取引所が定めた基準を満たし、証券会社から資金や株式を借りて売買できる仕組みの対象となる銘柄を指します。また「貸借銘柄」は、さらに株不足の際に日本証券金融から株を借りて空売りができる、より流動性の高い銘柄のことです。これらの指定が外れたことは、市場での自由な取引が制限されたことを意味します。
SNSなどのネット上では、この発表を受けて多くの投資家が反応を示していました。かねてより親会社によるTOB、すなわち株式公開買付けが発表されていたことから、予定通りの手続きとはいえ「いよいよ実質的なお別れの時が近づいてきた」と、名残惜しむ声が目立っています。また、手元のポジションをいつ精算すべきか、具体的なスケジュールを再確認する熱心な株主の投稿も散見され、市場の関心の高さがうかがえました。
筆者の視点として、今回の決定は東芝グループ全体の再編とガバナンス強化が着実に前進している証拠であると評価しています。親子上場による利益相反の懸念を解消するための前向きなステップですが、個人投資家にとっては、親会社による囲い込みで優良な投資先が市場から一つ消えてしまうという寂しさも否めません。東証のルールに基づいた機械的な処理ではあるものの、グループの未来を見据えた大きな転換点の一幕であると言えるでしょう。
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