国内外のエネルギー産業を支えてきた老舗の岡野バルブ製造が、未来へ向けた大きな舵を切りました。同社は2020年2月27日付で、新しいトップに岡野武治常務が就任する人事を発表したのです。2020年1月10日に行われた記者会見の席で、武治氏は経営陣の若返りを力強く宣言しました。
さらに新社長は、現代の製造業にとって避けては通れない「デジタルトランスフォーメーション」を加速させる方針を示しています。いわゆるDXと呼ばれるこの取り組みは、ITやデジタル技術を駆使して業務やビジネスモデルそのものを革新することを指す言葉です。伝統ある企業がどのように生まれ変わるのか、期待が高まります。
実は同社を取り巻く環境は今、非常に厳しい局面にあります。電力需要が伸び悩んでいることに加え、地球温暖化対策の観点から石炭火力発電への風当たりが強まっているためです。その影響で国内外の発電所からの受注が大きく落ち込み、2019年11月期の連結決算では22年ぶりとなる赤字を記録してしまいました。
こうした危機を乗り越えるため、同社は従来の「モノ作り中心」から「サービス重視」へと大胆に方向転換します。主力のバルブ生産から人員をシフトし、発電設備のメンテナンスやITを活用した部品加工、耐久診断に注力する計画です。さらに、原子力発電所関連の除染作業といった分野にも力を注いでいきます。
30代の若いリーダーが牽引する新体制とSNSで広がる期待感
今回の変革において最も注目すべきなのは、役員を一新するダイナミックな組織改革でしょう。これまでの経営を支えてきた岡野正敏会長や岡野正紀社長を含む4名の取締役が退任します。代わりに執行役員制度を新たに導入し、30代から50代の若手実力派6名を重要なポストへ登用することが決定しました。
新社長に抜擢された武治氏は、会長の長男でありながら38歳という若さです。この大胆な若返り人事に対してインターネット上のSNSでは、「老舗企業がここまでドラスティックに変わろうとする姿は応援したくなる」「若い力とDXで、日本の製造業の新しいモデルケースになってほしい」といった好意的な声が目立っています。
筆者は、今回の岡野バルブ製造の決断を非常にポジティブに捉えています。時代の変化に合わせて自らの形を変えられる企業こそが、最終的に生き残るからです。エネルギー業界の逆風を、デジタルとサービスの力で跳ね返すことができるのか、若き新社長が率いる同社の再生ストーリーから目が離せません。
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