5Gが救世主!半導体大手ディスコの業績が予想超えで急回復した理由とは?

世界中で大きな注目を集めている次世代通信規格「5G」の波が、日本のハイテク企業に強力な追い風をもたらしているようです。半導体製造装置の分野で圧倒的な存在感を放つディスコは、2019年4月1日から2019年12月31日までの連結営業利益が250億円程度に達した模様です。これは2019年10月下旬に会社側が発表していた従来予想を約1割も上回る水準であり、市場に驚きと期待が広がっています。

この業績上振れの背景にあるのが、世界的な5Gシフトに伴う半導体需要の急増です。SNS上でも「やはり5G特需の本命はここだったか」「スマホの進化に欠かせない企業」といった感嘆の声が相次いでいます。ディスコが得意とするのは、電子回路が描かれた円盤状のシリコンウエハーを、小さな半導体チップへと切り分ける「切断・研磨装置」です。同社はこの分野で世界の7割という驚異的な市場シェアを握っています。

実はこれまで、半導体の記憶媒体であるメモリーの在庫調整が長引いており、各メーカーは設備投資を控えていました。そのため、ディスコの出荷額も2019年4〜6月期と7〜9月期は前年同期比で2桁減と苦戦を強いられていたのです。しかし、足元の2019年10〜12月期には出荷額が前年同期比で6%増と、見事にプラスへ転じました。このV字回復を牽引しているのが、国策として5Gを強力に推し進める中国市場の熱気です。

中国のスマートフォンメーカーが新機種の開発を急ピッチで進めた結果、製造を請け負う台湾などの「後工程」企業が投資を再開しました。後工程とは、ウエハーからチップを切り出し、最終的な製品に仕上げる重要な最終段階を指します。工場の稼働率が上がったことで、ウエハーを切るための「ブレード」と呼ばれる消耗品の替え刃の売れ行きも絶好調です。さらに、想定より円安に推移した為替レートも輸出の採算を大きく押し上げました。

米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2019年初頭から6割も上昇する中、ディスコの株価も約2倍に大化けしています。私は、このディスコの業績底入れこそが、世界的な半導体市況の本格的な復活を告げる決定的なサインであると確信しています。後工程の装置は前工程に比べて受注への反映が遅れる特性があるため、ここが動き出した意味は極めて大きいでしょう。同社は2020年1月23日に決算発表を控えており、さらなる吉報が届くか要注目です。

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