ミラノが絶賛した日本の伝統!木桶仕込みの古代醸造酢が世界を魅了する理由

世界中からおいしいものが集まる美食の国イタリアで、日本の伝統的な調味料が大きな注目を集めています。2015年に開催されたミラノ万博の日本館には、約228万人もの人々が詰めかけ、大盛況のまま幕を閉じました。数ある展示の中でも、特に現地の人々を驚かせたのが和歌山県から出品された特別な「お酢」です。

この話題はSNSでも瞬く間に拡散され、「日本のお酢はアートのようだ」「ツンとした刺激がなくて感動した」といった驚きと称賛の声が溢れています。ヨーロッパの食通たちをこれほどまでに虜にした秘密は、明治1879年の創業以来、頑なに守り続けられている職人たちの熱い情熱と、驚くべき「古代醸造法(こだいじょうぞうほう)」にありました。

古代醸造法とは、現代の効率的な機械大量生産とは異なり、自然の力を最大限に活かしてじっくりと時間をかける伝統的なお酢の造り方です。和歌山県那智勝浦町にある丸正酢醸造元では、熊野山系の清らかな伏流水を使用しています。さらに蔵の中に鎮座する高さ2メートルの巨大な木桶を使い、今も昔ながらの手作業でお酢を発酵させているのです。

特筆すべきは、エアコンなどの空調設備に一切頼らない点でしょう。職人たちは日々、蔵の窓を開閉して風を入れ替え、木桶に「菰(こも)」と呼ばれるワラで編んだむしろを被せることで、絶妙な温度や湿度をコントロールしています。こうした気が遠くなるような手間暇をかけ、90日から500日という長い時間を経て熟成させるそうです。

長期にわたる熟成によって、お酢の中には「うまみ成分」であるアミノ酸がたっぷりと凝縮されます。これが、機械造りには真似できない深いコクを生み出す理由なのです。この極上の味わいは2007年ごろから海外へ渡り、フランスやベルギー、イギリスへと瞬く間に口コミで広がっていきました。

万博の会場では、スクリーンでこの神秘的な製造工程が紹介され、訪れた人々は一様に熱心に見入っていたそうです。実際に4種類のお酢を試食したミラネーゼたちからは、「こんなにまろやかなお酢は生まれて初めて食べた」と感動の言葉が次々に飛び出しました。日本の伝統が、世界の美意識と共鳴した素晴らしい瞬間です。

この成功を機に、イタリアでの販売額は2016年に前年比1.6倍、2017年には2.0倍と驚異的な急成長を遂げています。全体の売上高に占める海外比率も、2011年1月期の5パーセントから、2019年1月期には32パーセントへと拡大しました。今や海外市場は、同社にとって必要不可欠な柱へと進化しています。

歴史と伝統を重んじるヨーロッパで日本の発酵文化が認められたことは、同じ日本人として非常に誇らしく感じられます。効率性が重視される現代だからこそ、自然と対話しながら造る本物の味が世界を動かすのでしょう。同社は今後、アメリカや中東への進出も計画しており、その躍進から目が離せません。

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