千葉県鋸南町に、海を一望できる至高の隠れ家が誕生します。地元の温泉文化を牽引してきた「紀伊乃国屋」が、2020年1月22日に新たな高級温泉旅館「さざね」を開業することになりました。2019年9月5日に発生した台風15号による甚大な被害を乗り越え、ついに迎える待望のスタートです。地域の復興を象徴するこの素晴らしいニュースは、暗い話題が続いていた観光業界にとって、一筋の明るい希望の光となるに違いありません。
新旅館の名称である「さざね」は、心地よいさざ波の音色をイメージして作られた特別な造語だそうです。蛭田憲市社長は、訪れる人々に美しい景色と波の音に包まれながら、心ゆくまで日々の疲れを癒やしてほしいという温かい願いを込めています。日常の喧騒から離れて静寂を楽しめるよう、宿泊可能な年齢を13歳以上に限定した大人のための空間設計が施されました。プライベート感を重視した極上のひとときが約束されているのでしょう。
客室は趣の異なる5つのタイプが用意されており、全12室という贅沢な構成です。最大の魅力は、すべての部屋に配置されたオーシャンビューの露天風呂でしょう。湯船に浸かりながら水平線を眺める時間は、まさに至福の瞬間といえます。宿泊料金は1泊2食付きで1人3万910円(税別)からとなっています。SNS上では「全室露天風呂付きは最高すぎる」「絶対に泊まりに行きたい」といった、期待に胸を膨らませる声が早くも多数寄せられていました。
実は、紀伊乃国屋が運営する既存の4つの温泉旅館は、どれも稼働率が9割を超えるほど高い人気を誇っていました。しかし、あの猛烈な台風によって建物が損壊し、その修繕費用は約1億5000万円という巨額の負担となってのしかかったのです。当時建設中だった「さざね」も被害を受け、当初の計画から2カ月遅れでの悔しい延期を余儀なくされました。誰もが絶望しかねない状況下で、関係者の皆様が諦めずに前を向き続けた姿勢には深く感銘を受けます。
この一大プロジェクトを支えたのは、地元の京葉銀行と日本政策金融公庫千葉支店でした。2つの金融機関が手を取り合い、建設資金として総額6億3000万円の「協調融資」を実施したのです。協調融資とは、複数の金融機関が同じ条件で協力して大口の資金を貸し出す仕組みを指します。地域一体となった力強いバックアップがあったからこそ、この苦難を突破できたのでしょう。地元の経済を守ろうとする強い絆が、見事に実を結んだ形です。
蛭田社長は「ここまでたどり着けたことが感無量です」と涙ながらに語り、地域のイメージアップに貢献したいと力強く前を見据えています。被災という大きな試練を乗り越えて誕生した「さざね」は、単なる宿泊施設を超えて、鋸南町の力強い復興のシンボルになるはずです。逆境に負けず素晴らしい空間を作り上げたスタッフの方々に敬意を表するとともに、この美しい宿が多くの旅行者で賑わい、街全体が再び活気を取り戻すことを心から願ってやみません。
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