【建設業界の動向を読む】H形鋼在庫が22万トン台で横ばい!東京五輪関連需要と資材流通の最新事情

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2019年6月26日に発表されたデータによると、建設用資材の動向に注目が集まっています。特に主要な鉄骨資材であるH形鋼(エイチがたこう)の在庫量が、同年5月末時点で前の月と変わらず、22万6,500トンで横ばいという結果になったのです。H形鋼とは、その名の通り断面がアルファベットの「H」の形をした鋼材のことで、高い強度から主に建物の柱や梁など骨組み(躯体)に使われる、建設には欠かせない重要な材料です。この数値は、日本製鉄の鋼材を取り扱う流通事業者の団体である「ときわ会」がまとめたものですから、業界の動きを正確に反映していると言えるでしょう。

この在庫量が横ばいになった背景には、いくつかの要因が絡み合っています。当時、需要のけん引役と目されていた東京オリンピック関連の建設プロジェクト向け需要に、一旦の落ち着きが見られたことから、市場全体の荷動きは比較的緩やかでした。しかしながら、鋼材を仕入れる役割を担う問屋などの流通事業者が、仕入れのペースを抑えたことで、**入庫量(工場や倉庫に入った量)が減少したのです。具体的には、5月の入庫量は7万3,600トンで、4月と比較して11.1%の大幅な減少となりました。この入庫量の減少が、同じく緩やかに減少した出庫量(市場に出た量)**と釣り合い、結果として在庫水準を維持する形になったのでしょう。

ちなみに、5月の出庫量も前月比で2.0%減少しており、7万3,600トンでした。入庫量と出庫量が一致している点も興味深いところです。SNSでは、「五輪需要の一服感は想定内。次に向けた在庫調整の動きか」「資材価格の動向が今後どうなるか注視したい」といった、建設関係者と思われるユーザーからの反応も見受けられ、今後の市場変化への関心が高いことが伺えます。主要資材であるH形鋼の在庫が安定していることは、資材価格の急騰を防ぐ上でも重要だと考えられるため、私は建設業界全体の健全な発展のために好ましい動きだと評価しています。

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建設業界を巡る他の資材データからも読み取れること

H形鋼以外の主要な建築資材の動きからも、当時の建設業界の状況を垣間見ることができます。例えば、セメントの5月国内販売量は317万6,912トンで、これは前年の同じ月と比べて5.9%の減少を示しています。セメントはコンクリートの主成分であり、建設活動の規模を測る上で重要な指標の一つです。また、木造建築に多用される国産針葉樹合板の4月末の在庫量は14万2,600立方メートルで、こちらは前月比で0.6%の微減でした。これらの資材の減少傾向は、H形鋼の需要が緩やかになった状況と相まって、当時の建設業界全体が、大規模プロジェクトの集中期を終え、一時的な調整局面に入っていた可能性を示唆していると言えるでしょう。

さらに、建設業界だけでなく産業全体にわたるデータも見てみましょう。紙・板紙の5月国内出荷量は192万5,000トンで前年同月比3.3%の減少、また銅合金などの伸銅品(しんどうひん)の4月生産量は6万4,960トンで前年同月比7.0%の減少となっています。伸銅品は電気機器や自動車、建築物など多岐にわたる分野で使用されるため、この減少は国内製造業の広範な活動の停滞を示しているかもしれません。全体として、建設関連の指標だけでなく、広い産業分野で前年実績を下回る結果が出ており、当時の日本経済が少しずつ減速の兆しを見せ始めていたと推察されます。私見ですが、このデータは、東京オリンピックを前にした建設特需が一段落し、次の安定成長期へ移行するための「踊り場」のような時期であったと捉えるべきでしょう。

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