大手総合商社の住友商事が、ものづくりの未来を大きく変えるポテンシャルを秘めた米国のスタートアップ企業へ投資を行いました。同社は米国法人を通じて、2019年12月末にコロラド州の素材系ベンチャーであるエレメンタム3Dへのマイナー出資を完了したとのことです。出資額についての詳細は非公表とされていますが、この動きは今後の製造業界に新鮮な風を吹き込むことでしょう。同スタートアップが手掛けるのは、主に自動車部品の製造現場などで用いられる特殊なアルミ合金の粉末です。
2014年に産声を上げたエレメンタム3Dが誇る独自の技術は、すでに自動車や人工衛星の部品材料として実践投入されています。さらに今後は、高い耐久性が求められる航空機分野や、過酷な環境下で使用される石油の油井管関連へと、その活躍の場を大きく広げる見通しです。このニュースに対してSNS上では、「日本の大企業が海外の先進的な素材技術に投資するのは夢がある」「3Dプリンターの可能性がさらに広がりそう」といった、未来の技術革新への期待に満ちた声が数多く寄せられています。
ここで注目したいのが、3Dプリンターで金属部品を作る際の大きな壁を同社がクリアした点にあります。一般的に、アルミ合金を材料として3Dプリンターで立体成形を行うと、冷却される過程で内部に微小な亀裂が生じやすく、部品の強度が著しく低下するという深刻な課題が存在していました。この課題を解決するため、彼らはアルミ粉末に特殊なセラミックを配合する画期的なアプローチを開発したのです。これにより、従来の鍛造品、つまり金属を叩いて圧力を加え、頑丈に鍛え上げた製品と同等の圧倒的な強度を実現させました。
住友商事は、軽量でサビにも強いアルミ合金を用いた3Dプリンター製部品の需要が、今後世界中で爆発的に高まると確信しています。今回の出資を契機として、同社が持つグローバルなネットワークを駆使しながら、エレメンタム3Dの新たな販路開拓を強力にバックアップしていく構えです。日本の商社が持つ圧倒的な営業力と、米国の最先端技術が融合することで、これまでにないスピード感で市場が拡大していくダイナミズムを感じずにはいられません。
また、今回の投資の背景には、住友商事が2017年に米国で立ち上げたスタートアップ専門の投資ファンドの存在があります。このファンドは、現地法人の裁量によって迅速に投資先を決定できる柔軟な仕組みを整えており、今回の案件で記念すべき10件目の投資となりました。日本の本社にお伺いを立てる従来の手続きを省き、スピード勝負のベンチャー投資で成果を出している点は非常に先進的です。こうしたスピード感のある挑戦こそが、日本の停滞感を打破する鍵になるでしょう。
産業のコモディティ化が進む現代において、製造業のゲームチェンジャーになり得る素材技術を押さえることは極めて重要な戦略と言えます。住友商事の先見明快な投資眼は、日本の製造業にとっても大きな刺激となるに違いありません。今回の提携をきっかけに、3Dプリンター技術が単なる試作品づくりの道具から、本格的な量産を支える基盤技術へと進化を遂げることを大いに期待したくなります。技術の進化がもたらす、新時代のものづくりから目が離せません。
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