地域金融の未来図:筑波銀行が描く「第4次中期経営計画」で2021年度純利益25億円を目指す改革とは?

地域経済を支える筑波銀行が、2019年6月10日に「第4次中期経営計画」(2019年度~2021年度)の詳細版を公表しました。これは、同行が未来の収益構造を確固たるものにするための、非常に具体的なロードマップといえるでしょう。この計画の柱は、徹底的な経費削減と、お客さまが抱える課題解決を軸にした営業力の強化に置かれています。

具体的には、最終年度となる2021年度末までに、当期純利益を25億円以上、そして本業のもうけを示すコア業務純益を30億円以上に引き上げるという、力強い目標を掲げています。この目標達成は、地域に根差した銀行としての存在意義と信頼回復に直結すると、私は考えます。特に、公的資金の注入(金融機能強化法の東日本大震災特例)を受けている同行にとって、この経営強化計画への対応は、待ったなしの課題であります。

なぜ、このような抜本的な改革が必要なのでしょうか。その背景には、直前の「第3次中期経営計画」(2016年度~2018年度)で、設定した4つの目標計数のうち、3つが未達成に終わったという苦い経験があります。特に、日本銀行によるマイナス金利政策(金融機関が日銀にお金を預ける際に金利を支払う制度)の深刻な影響を受け、当期純利益は目標の35億円以上に対し、わずか9億3,000万円にとどまったのです。

しかし、一方で明るい材料もありました。比較的金利が高く、収益の柱となる中小企業等貸出金残高は、目標の1兆1,700億円以上を上回り、1兆2,182億円を達成しています。これは、地域の中小企業との関係構築が着実に進んでいる証であり、今回の第4次中計の基盤となる部分だと評価できるでしょう。

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収益改善の鍵は「店舗スリム化」と「人的強化」の両立

第4次中計における収益力改善策は、非常に大胆な構造改革を伴っています。まず、コスト構造の最適化として、実店舗数を98店舗から75店舗以下に削減する方針です。さらに、行員数も1,524人から1,400人以下に抑えることで、人件費を含めた経費全体を大幅に圧縮しようとしています。これは、デジタル化が進む現代において、避けて通れない合理化のプロセスであると考えられます。

ただし、単なる削減に留まらないのが、この計画の特筆すべき点です。店舗数や行員数の減少とは裏腹に、1店舗あたりの営業行員数は平均7人から10人に増強されます。これは、スリム化で生まれた余力を、お客さま一人ひとりへのサービス向上に再投資する姿勢の表れです。店舗を訪れる法人や個人のお客さまに対し、より専門的で質の高い相談体制を強化し、きめ細かな対応を実現しようという意図が見て取れます。

この第4次中計の骨子は、すでに2019年3月に発表されておりましたが、今回の詳細版は、公的資金注入の返済に向けた金融庁への経営強化計画に沿った形で練り上げられたものです。このニュースに対してSNS上では、「店舗削減は寂しいが、サービス強化は歓迎できる」「マイナス金利下で生き残るための英断」といった、期待と同時に地域金融への危機感を反映した声が寄せられています。筑波銀行がこの計画を着実に実行し、地域経済の活性化と安定した経営基盤を確立できるのか、今後の動向に注目が集まるでしょう。

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