エネルギー業界に明るいニュースが飛び込んできました。JX石油開発が、マレーシア・サラワク州の沖合に位置するラヤン油ガス田にて、原油の商業生産を本格的にスタートさせたのです。これまで天然ガスの産出をメインとしてきたこちらの鉱区ですが、新たに原油を出荷するための「浮体式生産出荷設備(FPSO)」を導入したことで、待望の原油生産が現実のものとなりました。
専門的な用語になりますが、この浮体式生産出荷設備とは、洋上で石油やガスを生産し、貯蔵してから直接タンカーへ積み込んで出荷できる非常に画期的な船型の設備を指します。これを活用することで、日量1万バレル(原油換算)という驚くべき規模の生産量を見込んでおり、同社が操業の主導権を握るプロジェクトとして、東南アジアにおける事業基盤をより強固なものへと引き上げるでしょう。
ネット上のSNSでもこの話題は注目を集めており、「日本のエネルギー企業が海外で存在感を示すのは誇らしい」といった応援の声や、「FPSOの導入による効率化が素晴らしい」など、技術的な進化に感銘を受けるユーザーの投稿が目立っています。
選択と集中が進むエネルギー戦略の行方
ラヤン油ガス田が存在するSK10鉱区と呼ばれる広大な海域において、同社は1987年にいち早く権益を取得していました。長年の努力が実を結んだ形となりますが、今回の生産量は同社全体の販売量における約1割に匹敵する見通しです。2019年4月から2019年9月までの期間における同社の石油および天然ガスの総販売量が日量9万3000バレルであったことを踏まえると、今回の稼働がいかに大きなインパクトをもたらすかが分かります。
近年の同社は、カナダにおけるオイルサンドと呼ばれる超重質原油の事業を売却するなど、資産の選択と集中をドラスティックに推し進めてきました。2020年度から始動する新たな中期経営計画でも、投資の対象を厳格に見極める方針を打ち出しています。収益性の高い有望なプロジェクトへ資源を集中させるこの経営判断は、不透明な国際情勢を生き抜くために極めて賢明な選択であると私は確信しています。
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