世界を代表する金融大手のゴールドマン・サックスが、かつてない正念場を迎えています。マレーシアの政府系ファンド「1MDB(ワン・マレーシア・デベロップメント・ブハド)」を舞台にした大規模な汚職事件を巡り、米司法省との間で驚愕の和解案が浮上しました。2019年12月19日の米紙報道によれば、同社は約20億ドル、日本円にして約2180億円という天文学的な数字の罰金を支払う方向で最終調整に入っているようです。
この1MDB事件とは、マレーシアの経済発展を目的とした公的ファンドから、政治家や実業家らのポケットへ巨額の資金が流出したとされる国際的な不祥事です。ゴールドマン・サックスは同ファンドの債券発行を主導した経緯があり、その手数料として得た巨額の利益が「不正を助長したのではないか」と厳しい批判にさらされてきました。SNS上でも「ウォール街の巨人がついに年貢の納め時か」といった厳しい声が相次いでいます。
元幹部の有罪判決と揺らぐ経営陣の主張
米司法省は2018年11月に、資金流出に深く関与したとされるゴールドマンの元幹部らを起訴しました。その一人であるティム・ライスナー氏は、すでに自身の不正を認め、米金融界から事実上の追放処分を受けています。これまでゴールドマン側は「経営陣は元幹部らの隠蔽工作に欺かれた被害者であり、会社としての組織的関与はなかった」と一貫して主張してきましたが、この強気な姿勢も限界を迎えつつあるように見受けられます。
今回の和解交渉において注目すべきは、アジアの子会社が「海外腐敗行為防止法(FCPA)」に違反した罪を認める方針であるという点です。この法律は、米国企業が外国の公務員に対して賄賂を送ることを厳格に禁じるもので、今回の有罪認定は同社のブランドイメージに深刻なダメージを与えることは避けられないでしょう。法令順守(コンプライアンス)の徹底が叫ばれる現代において、この失態はあまりにも重いと言わざるを得ません。
2020年前半にも米当局との合意が実現する見通しですが、マレーシア政府との交渉は依然として難航しており、事態の完全な収束にはまだ時間がかかるでしょう。個人的な見解を述べれば、金融機関は利益を追求するだけでなく、その資金が正当な社会貢献に使われるかを監視する高い倫理観を持つべきです。この巨額罰金が、形骸化したチェック体制を見直す真の契機となることを切に願わずにはいられません。
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