【セブン揺らぐ信頼】相次ぐ不祥事で露呈した「最強モデル」の限界と高額ロイヤリティの正当性

2019年12月15日、小売業界の絶対王者として君臨してきたセブン―イレブン・ジャパンが、かつてない正念場を迎えています。本部社員による「おでん無断発注」に続き、長年にわたる「残業手当の未払い」という衝撃的な事実が発覚しました。これまで「業界最強」と謳われたビジネスモデルの土台が、今まさに足元から崩れようとしているのです。

今回明るみに出た未払い問題は、職務への責任に対して支払われる「職責手当」などが残業代の計算から漏れていたというものです。驚くべきことに、この計算ミスは1970年代から続いていた可能性があるとされています。SNS上では「給与計算すらまともにできないのか」「オーナーへの負担が大きすぎる」といった本部への厳しい批判が相次ぎ、炎上状態となりました。

そもそもコンビニのフランチャイズ(FC)契約とは、本部が看板や商品開発、システムを提供し、加盟店が運営を担う共同事業です。その対価として加盟店は、売上から原価を引いた「粗利益」の一定割合を「ロイヤリティ(経営指導料)」として本部に支払います。セブンの料率は平均約5割と、競合他社と比較しても極めて高い水準で知られています。

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高すぎる指導料への疑問と現場の苦悩

1店舗あたりの売上高が業界トップであるからこそ、これまでは高額なロイヤリティも「成功の授業料」として正当化されてきました。しかし、給与計算という基本的な支援システムでミスが発覚した今、加盟店オーナーからは「裏切られた」という悲痛な声が上がっています。本部の看板を信じて汗を流してきた現場の信頼は、もはや限界に近いといえるでしょう。

2019年はセブンにとって、まさに「厄年」のような1年でした。7月に鳴り物入りで開始したスマホ決済「セブンペイ」は、不正利用問題によりわずか数カ月でサービス終了に追い込まれました。さらに11月には、本部社員が売上ノルマ達成のために加盟店に無断で商品を発注する不祥事も表面化し、企業体質そのものが問われる事態となっています。

私は、今回の問題の本質は「本部の独走と現場の乖離」にあると考えます。本部は加盟店に高い規律と成果を求める一方で、自らのガバナンスやサポート体制の不備を棚上げにしてきたのではないでしょうか。24時間営業の是非が問われる中で、加盟店ばかりが人件費増に苦しみ、本部が高収益を維持し続ける構造は、もはや持続可能ではありません。

今後、セブンが王者の地位を守るためには、象徴的な「高額ロイヤリティ」の引き下げを含めた抜本的な改革が不可欠でしょう。加盟店との信頼関係を再構築できなければ、新たなオーナーの獲得競争においても他社に遅れを取ることは明白です。2019年12月15日、この日はセブンが真の共生へと舵を切れるかどうかの、大きな分岐点となるはずです。

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