日本最大手のコンビニチェーン、セブン-イレブンにおいて、長年にわたりアルバイトやパート従業員への残業手当が正しく支払われていなかったという衝撃的な事実が2019年12月10日に明らかとなりました。店舗を運営する加盟店の給与計算は、本部であるセブン-イレブン・ジャパンが代行していますが、あろうことかその算出式に誤りがあったのです。
事の端緒は労働基準監督署からの指摘でした。詳細な調査を進めたところ、記録が残っている2012年3月以降だけでも、未払い額は合計で約4億9000万円という巨額に達しています。この事態を受け、ネット上では「信じて働いていたのに裏切られた気分だ」「業界トップがこれでは困る」といった、不信感や落胆の声が次々と上がっています。
なぜミスは防げなかったのか?繰り返された隠蔽の歴史
今回の問題の核心は、「精勤手当」や「職責手当」を残業代の計算に含めていなかったことにあります。精勤手当とは、欠勤せずに勤務した際などに支払われるインセンティブであり、職責手当は役割や責任に応じて支給される手当を指します。これらは労働基準法において、残業代の算出基礎に含めるべきものと明確に定められていますが、本部のシステムがこれに対応していませんでした。
驚くべきことに、同様の不備は2001年6月にも一度指摘されていました。しかし、当時のセブン本部は事実を公表せず、あろうことかその後に導入した新しい計算式さえも誤っていたというのです。さらに、固定給で働く加盟店の社員についても一部の支払いが漏れており、不適切な管理体制が組織全体に蔓延していた可能性が否定できません。
未払いの起源を遡ると、セブンが日本で産声を上げた1970年代から続いていた恐れもあるというから驚きです。現在、対象となる従業員は約3万人にのぼり、全国8000店舗以上に影響が及んでいます。企業としての社会的責任(CSR)が問われる中、まずは対象者一人ひとりに対し、誠実かつ迅速に不足分を精算することが最優先事項と言えるでしょう。
編集者としての視点から言えば、今回の件は単なる計算ミスという言葉で片付けられるものではありません。人手不足が深刻化するコンビニ業界において、現場を支えるスタッフの労働環境を守ることは経営の根幹です。利益を追求する一方で、最も身近なパートナーである従業員の権利を軽視してきた姿勢は、今後のブランドイメージに大きな影を落とすに違いありません。
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